main storyT
〜無気力刑事の午後〜 02
「だってさー、笛吹さんはあのとおりのヒトだから、レンアイ相談なんてしたって鼻で笑うだけだろーし。
筑紫さんは笛吹さんの腰巾着だから、相談そのものも、してもムダだろーし。
…笹塚さんしかいないんだ!俺の話を聞いてよ!!」
えらい言いようだな…関係ねーけど、こんな時にも名前が挙がらない石垣は、かわいそーなヤツかもな…
「わかったわかった」
「サンキュー!笹塚さん!!」
匪口は気を遣い、ブラックの缶コーヒーを自販で買ってきて俺に渡す。本人は甘いと有名な某メーカーの缶コーヒー。
「…俺が気になってるコってのはさ…」
そのへんの座席に座って、匪口は話し出す。
その語り口調に、何だか俺はくすぐったくなってくる。
そんな時代は、俺にはなかった……
「確定的なことはわかんないけど、彼氏みたいのがいるんだ」
「へぇ…」
この匪口が、そーゆー女の子に執着するのが、俺にはすぐには信じられない。
「確定的なことがわかんないって、具体的には…?」
「んー。とにかく、いつでも一緒にいるね。
一緒にいなくても、そのコはいつでも、そいつのご機嫌を伺ってるみたいに、つれないんだよ」
.
[*前P][次P#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!