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〜思わぬ展開〜 05
いつの間にか夜の帳が下りていた。
暗い事務所内でネウロは、あかねまでもが怒っている様子に気が付く。
美しい三つ編みをぶんぶん振り回して、それはもう猛烈な抗議ぶりである。
「…何だアカネ」
何となく疲労感に見舞われ、先程まで弥子が座っていたソファに腰を下ろすと、食べかけの物質(ケーキ)が目に入った。
自分を拒否し、
『大っ嫌い!!』
発言。そうして好物を残してまで逃げ去った少女に、
―ヤコのくせに生意気な…―
と、苦々しく思う。
「…で?アカネは我が輩に何か言いたいことでもあるのか」
あかねは、勢いよくペンを握ると、デスクの上の紙に、
『あれじゃ弥子ちゃんが可哀想すぎます!』
と、珍しくストレートに訴えた。
「可哀想?…何故だ」
『女の子にあの発言はあんまりです!
弥子ちゃんはネウロ様の大切なパートナーではないですか』
「…ではなく奴隷だ、奴隷」
やや力無く、突っ込む。
溜息をついているような気配を感じる。
『…ネウロ様は、弥子ちゃんが離れてしまうことは考えないのですか?』
「…ム?」
『弥子ちゃんは普通の女の子ですよ?』
「…普通か?アレが」
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