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〜思わぬ展開〜 04
「貴様の感慨など我が輩の知ったことではない」
「そりゃあんたにしたらそうかもしれないけど!
そんなムチャクチャで勝手な好奇心なのはやなの!
しかもいきなりすぎだし!
どーせあんたにはわかんないんでしょうけど!!」
一気にまくしたてる必死な形相が、魔人には好ましく映る。
―ヤコは本当にいたぶり甲斐があって面白い―
実際のところ、ネウロは今すぐどうこうと思っている訳ではない…今のところは。
「無理やりそんなことしたら、舌噛んで死んでやるから!」
「そうしたら何度でも蘇らせてやろう。喜ぶがいい。我が輩もいくらでも楽しめる」
弥子は蒼白になってしまう。
さて、この後どう出るかどう苛めてやろうかと笑んでいた魔人だが、
「………」
大粒の涙を落とした少女に、密かに驚いた。
(…チッ)
心の中で舌打ちする。
一瞬怯んで、拘束力が緩んだものか、弥子は服を縫い留めていた文房具と、頭を握り締めていたネウロの左手を振り払い、
「ネウロなんて大っ嫌い!!」
と、事務所を出て行った。
力任せに閉められたドアの音と廊下を走り去る音が、尾を引くように静まると、事務所内に無機質な静寂が訪れた。
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