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〜もどかしさ〜 05

 抗いようもなく、少女は力なくソファに手を落とす。

 魔人はそれを強く握り込み、器用に手繰って手を開かせ、指まで深く絡ませ……


 手を伝いじんわりと、しかし確実に伝わってくる何かが、弥子の、必死に波に抗おうとする意識を霞ませる。

 足元を攫ってゆくような感覚は決して不快ではなく、むしろ……


 しばらくの後、魔人は肌から唇を離し、されるがままであった少女を見やる。
 少女も視線を捉え、魔人の碧い瞳を瞳に映す。



 触れることで、今だ少女が本調子ではないことをネウロは体で知る。そして、かえって熱を少々上昇させてしまったらしいことにも気が付いて、苦笑する。

 …自分によって高まることそのものに、今は満たされたことに、しておく…


「……何すんのよ……」
 弥子は火照り赤く染まる顔を自覚しつつ、小さく呟く。


 ネウロは喉を鳴らし、
「悪くはなかったであろう?
 そのように見受けられたが、我が輩の気のせいか…?」
 自分の行為は棚に上げ、少女の反応を示唆する。果たして、弥子は更に真っ赤になった。

 単細胞で有り難いと、つくづく思う。

 弥子はようやっと、
「……この、ドS魔人が…」
 呟き、服を整えた。








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