main storyT
〜もどかしさ〜 04
―よくわかんないけど要するに…ネウロは『人肌』に弱いんだね。不思議ー…
…このネウロがね…―
他心などなく弥子がそのように思い至ると……
髪に頬を寄せていたネウロから溜息がひとつ漏れ、弥子の首筋に冷たい唇が這う。
弥子は驚いたが…驚き過ぎたか、声にならない。
魔人のそれは徐々に伝い移り、少女の瞳に魔人の金髪が広がった。
「……ん……」
羽ってゆく唇と舌の感触に…弥子は思わず、自分でも耳慣れない声を漏らしてしまう。吐息と共に。
「……………」
弥子は己が発した声に戸惑うが、それをもたらしたネウロの行為もまた、戸惑うに十分。
現にネウロは、声を耳にした直後、微かに動きを止めた。
……が、構わず肘掛けに弥子を押し付けると、今だ残る『熱』を、唇と舌を駆使し追いかけるに専念する。
制服のリボンを取り去り、シャツのボタンを外し、新たに露わにされた肌に唇を………
「ちょ…あの…ネウロ…?」
あわてふためく声音の弥子に反して、ネウロは顔も上げずに、
「…少し黙ってろ…
心配するな、取って喰いはしない……」
…と、あくまでも冷静な声音で囁いた。
―…いやいや…!
これはもーすでに、
『取って喰う』の前段階だと思うんですけど…―
…思うだけで、声には出せない。
.
[*前P][次P#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!