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〜もどかしさ〜 02
ネウロは、ソファに座り瞑目していた。
「…ネウロ…?」
「…何だ…」
幾分もの憂さげな返事。
「今日はお手紙、きてなかったよ」
「………」
ネウロは黙って弥子の首筋に手を伸ばすと、ひょいと掴み上げ、ストンと、横抱きの状態で自らの脚の上に座らせた。
―…なんか、『お姫様抱っこ』したまま座ったみたいだな―
…とは、とっさに弥子の思ったこと…
『お手紙は、昨日も今日も、ネウロ様がお一人でご覧になってましたよ』
ちら、と、ホワイトボードのあかねの報告を横目で見て、弥子は、ネウロはネウロなりに気を遣っているらしいことに、気が付く。
……それを口に出さないネウロを、弥子は、ついつい好ましく思う……
「もう、だいぶ調子良くなったんだよ。学校も行ったし」
弥子は場の勢いに任せ、ネウロの胸に頭を預け、聞かれもしないのに、話す。
…どうせ、ここでは、ネウロは弥子の体の調子など聞きもしないであろうから…
「…………」
ネウロは弥子の頭に顎を預けながら、目を瞑って、聞いているのやらいないのやら…
「…それにしては、ここに来たのが随分と早いのだな…」
しばしの後、呟く。
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