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〜もどかしさ〜 01
思いのほかの回復の早さで、翌日には登校した弥子。
…が、午後の授業が体育だったので、昼食を学食で取ってから早退することにした。
「まだ本調子でないの?弥子ちゃん」
学食のおばさんは言う。それでも、カツカレー3皿を平らげたのだが。
弥子は薬を口に放り込んで、水で飲み下してから、
「うーん、熱がまだちょっと…かな…」
と、答える。
つい昨日、高熱でうなされていた人間の回復力としては、驚異的といっても良さそうであるのに、本人も周りの者も、どうも弥子の体調不良はピンとこないものらしい。
周りの対応も本人の自覚も、とても病み上がりの人間とは思えない。
ともあれ、弥子は友人に挨拶を済ませると、学校をあとにしていつもの場所へ向かう……
「ただいま〜」
『あっ!!』
とばかりに、美しい三つ編みをぶんぶん振り回し、美人秘書は、
『弥子ちゃん、もう来て大丈夫なの?』
と、問う。
「うん、昨日来らんなくてゴメンね!あかねちゃん!!」
『うぅん!!そりゃ寂しかったけどネ、弥子ちゃんがまた元気な顔見せてくれれば、それでいいの!!』
あかねは嬉しいことを云ってくれる。
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