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〜病める少女〜 10
…ネウロが居なくなって、急に部屋の中の空気がもの淋しく感じられるのは…
もしかしたら、ネウロが長いこと、ここにいたからなのかもしれない。
心配かけちゃった…
この借りは、どーやって返すハメになるんだろ……
…とか考えてたら急に…
夢なのか、うつつなのか、どうにもあやふやだけど、ネウロのことばが頭によみがえる。
『かわいそうに、先生…』
『僕にこんな思いをさせて…先生は罪深いお方ですね…』
夢でもうつつでも、どっちでも、いいけれど。
…あの時のネウロは、どんな気持ちだったんだろ。
……あれは、いったいどっちなんだろ…?
…あたしの肌に、唇で優しく触れてくれた、あのネウロは…
夢なの?
現実…なの?
まだ下がりきってない熱のせいで、考えがうまくまとまらない、けど……
…あれは…嬉しかった…
ネウロがあったかくて、冷たくて、優しくて…とてもとても心地よかった……
ネウロはたまに、あたしをそのうち『喰う』つもりだって言うけど……
はじめて、それでもいい…なんて、希んでしまったんだ、あたし……
明日…ちゃんと事務所に行けるように…
ネウロやあかねちゃんに会えるように…
今はとにかく、眠ろう。
早く、元気になろう……
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