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〜病める少女〜 08
最後のひと匙を口に運ぶ時、あたしは、
「ネウロ?」
呼んでみた。
ネウロはどうしてか、ちょっとだけ無言の後、匙を口に入れながら、
「…何でしょう?」
答える。
それまで全部うまくいってたのに、ほんの少し手元がそれちゃって、お粥がほんのちょっと口の端に付いちゃった。
あたしは、ベッドの足元にお盆を置く、意外と庶民的な姿のネウロを眺めながら、
「ありがとね…
でも、ホント、どうして来てくれたの?」
と、訊いた。
ちょっとの無言の後、
「…貴様の母親から連絡があってな…」
言葉を素に戻して、ネウロは答える。
「ふぅん…」
「しかし、あってもなくても、同じであろうがな」
「何で?」
あたしはネウロの言葉を聞きながら、口の端についちゃったお粥を手で拭う…はずだったのに、ネウロはその手を捉えてしまってた。
「………」
「『何で』とはまた、我が奴隷の分際で自覚が足りんにも限度があろう…」
そこで、奴隷扱いですか…?
それにしても、ネウロは口調を使い分けるから、話してて退屈しないよなぁ…
…なんて思ったら、何だかおかしくなって、あたしは笑ってしまった。
笑いながら、
「…だから、ネウロ。あたしにもわかるように、教えて…?」
そしたら…ネウロはまた、ヘンな顔をした。
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