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〜思わぬ展開〜 02
「我が輩なりに少々調べてみたのだが、なかなかに興味深かったぞ」
―うわ…ロクな知識仕入れてなさそ…―
「人間の生殖行為とは、実際の繁殖とは切り離され、日常的に行われるのだそうだな」
「…あんた一体何を見た?」
あまりに露骨な表現に、弥子は呆れてしまう。
「いろいろ参考にしたまとめ、総括…だ」
「…あっそ…」
「その欲の名が『性欲』…とかいったか。魔界の住人には、ついぞない『能力』だ」
「…ないなら別にそれでいいじゃん」
「…行為そのものを『喰う』とも言うそうだな」
「あー、ナルホドそれでー
…て、違う!
だから何でそんな俗な知識だけきっちり仕入れんのよあんたは!」
だが弥子は納得した。
魔人が何故急にこのようなことに興味を示しだしたのか。
―共通点を見つけたつもりなんだなコイツは。
…それはそれで悪いことじゃないかもだけど、この展開はヤバいかも…―
「あ…あたしは結構ですから」
「何。折角喰ってやると言っているのに、貴様奴隷の分際で却下するのか」
「興味あるなら他を当たってください!」
場を逃れたいが為放った自分の言葉に、弥子はほんの少しだけ、後悔に近い苦さを感じた…
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