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鈴「ただいま〜。あ、御門君、色々面白かったね!」
唯人「只今戻りました。…あぁ、無事に帰れってきていたようで安心しました」
椿「…あれ? 人が増えてる?」
そうこうしているうちに、継母たちが帰宅です。さり気なくちゃっかり継母の隣に魔法使いもいます。
砂凪「ちゅ、ちゅうー」
唯人「…おや、砂凪君どうしました?」
御門「…あー、何か話があるらしいぞ」
くいくいと継母の袖を引くハムスターに、シンデレラが肩をすくめました。
継母がゆるりと首を傾げれば、ハムスターは狼の腕を取り継母を見上げます。
砂凪「ちゅっ、ちゅうちゅちゅー」
唯人「え? 砂凪君、旦那様が出来たんですか?」
御門「って、何言ってるか分かるの!?」
ハムスターの言葉(?)に当たり前のように返事をした継母に、思わず入るシンデレラのツッコミ。
けれどビックリしているのは何故か彼女だけで、継姉たちもほのぼのとハムスターに「おめでとう〜」や「良かったねぇ」などの声を掛けています。
御門「…あれ? 分かってないのは俺だけとか、まさかそんな事はないよな?」
…安心せい、シンデレラ。俺も仔猫やハムスターが何言ってるかは分からんで。
御門「…それは良かった」
シンデレラを蚊帳の外にほのぼのムードに入っている継母たち。
すると今まで黙っていた狼がハムスターを抱き上げ、継母を見やります。
桐琉「…砂凪を娶るつもりだったが、砂凪がこの家の者だって言うなら婿に入る。不束者だが、よろしく頼む」
本格的に婿入りするつもりだったらしい狼。案外そういうところはしっかりしているのか、きちんと継母に頭を下げます。
唯人「いえいえ、此方こそ。砂凪君に素敵な旦那様が出来て、私たちも嬉しいですよ」
鈴「良かったねー、砂凪君」
砂凪「ちゅう!」
御門「……あれ? 俺何か気付いたら本気で蚊帳の外か?」
生半可な事では動じない家族の適応力が有りすぎる祝福ムードに、一人ついて行けないシンデレラ。
けれど継姉Bが彼女の肩を叩き言います。
椿「…違うよ、御門君。家族なら一緒にお祝いしなきゃ…」
御門「…えっ、あぁうん…。おめでとう…?」
明良「にゃにゃー」
同じく家族の仔猫も、(おそらく)お祝いの言葉を贈りました。
唯人「良かった良かった…。さて、では今日は舞踏会で少々疲れましたし、もう休みましょうか」
御門「え? 寝ちゃうの? 色んな問題丸投げじゃね?」
唯人「あんまりページ数がダラダラしてもいけませんから」
いい加減早く進行したいんですよね、わかります。
龍治「寝るのか、唯人? もう? まだ、夜は長いぞ…」
唯人「もぅ…。だから、寝室に帰るんでしょう?」
御門「あー、はいはい、良い子はもう寝る時間だなー、ははは。鈴、椿さん、さっさと歯磨いて寝るかー」
継母と魔法使いの雰囲気に何かを察したシンデレラ、白々しくそう言ってさくさく部屋へ引き上げました。
…その日のシンデレラはきっと王子様との素敵な思い出で、良い夢が見られた事でしょう。
御門「いや、悪夢だよ」
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