13 御門「……とりあえず、家の事なら俺よりお母様に言うべきだと思うぞ?」 どうやら居候…ペットが増えるようだとなんとか認識したシンデレラですが、自分にそれを許可する権限はさしてありません。 我が物顔で居座る狼ではなく、おろおろとするハムスターを見やりつつ言います。 砂凪「…あ…うん…」 明良「…まぁ、大丈夫だと思うけどな〜」 継母はなんだかんだ身内に甘いので、きっと仔猫の言うとおり大丈夫でしょう。 明良「…てか、一番最初にくっつくのが動物たちとか、この劇ホント何…」 御門「…全くだ」 いや、ついさっきフラグぶち折って逃げて来たのは、他でもないシンデレラやらかな? 御門「あれはアイツが悪ぃんだよ! っ、良い子も見てる劇でなんつー事を…!!」 あくまで、『腐った』っていう枕詞の付く『良い子』やけどな(爆) 砂凪「…何があったの……いやごめん、やっぱ訊かないね」 ハムスターが何気なく訊きかけますが、シンデレラの形相を見てすぐに言葉を引っ込めます。 シンデレラの顔がよほど怖かったのか、ハムスターは彼女から死角になる狼の陰に隠れてしまいました。 後ろに隠れられた狼は、特に何も言わずにその頭を撫でてやっています。 明良「そろそろ家に着く〜…、あ、0時前に帰ってこれて、これはこれで良かったかもな」 0時になったら魔法も解けて、うっかり徒歩で帰らんといけなくなってまうからな。 馬車から降りつつ、シンデレラは裸足のまま伸びをします。 御門「あー、帰って来た〜…。…お母様たち置いてきちまったけど、まぁあの人たちは大丈夫だよな」 仔猫とハムスターと狼も続いて馬車を降りると、ちょうど0時の鐘が鳴ります。 ──ゴーン、ゴーン… 明良「にゃー」 砂凪「ちゅー」 御門「あ。…そいや、縮むんだっけか…」 魔法が解けた仔猫とハムスターは、また幼い姿へ。 可愛えなぁ、キティホンマ可愛えなぁ、ハァハァ。 御門「…はいはい、自重自重」 桐琉「…小さいな…」 自分の腰程までしかないハムスターを抱え上げ、狼がしみじみ呟きます。 てか、そないな直接触れ合えてええなー、ええなー。 桐琉「…まぁ、これはこれで可愛いか」 砂凪「ちゅ?」 桐琉「……キスでも強請られてるみたいだな…」 御門「いや、それ鳴き声。…てか、この構図もの凄く犯罪臭い! 何か色々とマズい!!」 ハムスターを抱え上げる狼…は先ほどもあった構図ですが、ハムスターが小さいお陰で犯罪率が大幅にアップです。 ≪ ≫ [戻る] |