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short
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「いーじゃん、いーじゃん。あ、買って来たお菓子は好きに食べてていーよ」
「……ったく」


ひらひらと手を振ってテーブルの上に置いた白いビニール袋を示すと、惣は呆れた顔をしながらも袋を取り上げた。

袋の中には惣の好きなスナック菓子と、俺の好きな炭酸ジュース。中身を確認した惣はきっと、なんだかんだ言いながらもジュースを注いで俺のところに持って来てくれる筈だ。

惣の気配がキッチンへ引っ込んで行くのを感じながら、俺は勝手知ったる親友宅のテレビをつけた。ピコピコとリモコンでメニューを切り替え、DVDを再生し始める。

オトナなDVDの冒頭部分をぼーっと流し見ていると、いつの間にか背後に立った気配が容赦なく背中を蹴り上げる。


「たっ」
「…おら」


相変わらずゴミを見るような目で俺を見下げながらも、思った通りコップにジュースを注いで戻ってきてくれた、なんだかんだで優しい惣。

これが依月が相手だと惣はもう少し素直に優しく、間違っても背中を蹴り上げたりなんかしないだろうな、なんて思いながらも俺は有り難くジュースを受け取った。

自分の分のコップを持った惣が背後のソファーに腰を下ろすのに、俺はにやりと笑いながら彼を振り向く。


「……なんだかんだ見るんスか、惣さん」
「……此処は俺の家だからな」


これからムフフな映像を見るというのに、相変わらず冷たい表情は変わらず。けれどもしっかりソファーに座った惣に、やだなー、照れ屋さん、なんて茶化すように笑っていた俺には、この後の惣の爆弾発言など予想出来る筈もなかった。

画面が切り替わり、栗茶色の柔らかそうな髪をした女優が際どい下着姿で部屋に居る姿が映し出される。


「……圭也」
「んー…?」
「……依月が」


依月? ……そう言えばこの女優の髪型、ちょっと依月に似てない事もないかなぁ。なんて、惣の言葉を聞いて思わずそう思ってしまう。

……いや、今の発想は依月にも、画面の中の女優さんにも申し訳なかった。

思わず頭を振って、そんな発想の元になった惣を振り返ると、彼は渋面で画面を睨み付けていた。


「……惣?」


AVを見てるってのに、男としてその表情はないだろう。

普段の惣とも少し違うその態度に、俺は躰ごと改めて惣を振り返る。


「どうかしたのか?」
「……いや。…あぁ」


惣にしては、妙に歯切れが悪い。

長年の付き合いから、これは何か他には吐き出しづらい相談事か何かかな、と察するが、流石にその内容までは予測出来ない。

俺はDVDを流しっぱにしたまま、惣の次の言葉を待つ。


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あきゅろす。
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