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スメラギ
もってけニーソックス

うたた寝をして起きてみたらいつの間にか部屋に恋人がいて、知らないうちにズボンが脱がされていた上に、履いた覚えのない靴下が履かされている。


「どういうことだ……」
「あ、御門起きたんだ。おはよう」
「おはよう……じゃない、何でいるんだ、孝雪」


恋人はソファーで眠っていた御門の足元に膝を付いていて、履いた覚えのない黒のオーバーニーソックスに覆われた御門の片足を掴んでいた。一体何事だ。


「ヒント:鈴くん」
「それはヒントじゃない答えだ」


つまり御門が寝ているうちに、ルームメイトが訪ねて来た孝雪を部屋に上げたという実に簡単な話だ。そしてこういうパターンの場合、文句を言おうにも鈴は既に何処ぞかへ外出している事が多い。いや、420号室は鈴の部屋でもあるのだから、彼が孝雪を部屋に上げる事自体を非難する事は出来ないのだが。

それよりも孝雪とは既にやる事はやっている間柄だとはいえ、眠っている間に衣服を脱がされ、着せ替えをさせられるというのは流石にどうかと思う。御門は足を掴む孝雪の手を振り払おうと足を振るが、力で簡単に押さえ込まれてしまった。相変わらず見た目に似合わぬ馬鹿力だ。


「おい……」
「御門っていい脚してるよね」
「そんなの褒められても嬉しくない、ってか、離せって!」


なんだ、そのマニアックでフェチ臭い発言は。

言葉のついでに靴下の上からふくらはぎのラインを確かめるように指先が滑っていくので、非常にこそばゆい。そして勿論、御門がくすぐったがっているからといって、手を離してくれるような孝雪ではない。

そのままふくらはぎがら膝の裏、腿と指先は滑り、履かされたニーソックスと素肌の間、肉の僅かな食い込みを殊更艶めかしい手付きで触れられる。内腿という敏感な箇所への刺激に、思わず御門はビクッと大袈裟に躰を震わせた。


「ちょっ……! 手付きがヤらしい!」
「こういうの、絶対領域って言うんだっけ? いいよねぇ……」
「本気で変態臭い!!」


ツッコむ御門を気にする事なく、孝雪は剥き出しの内腿を辿る。もぞもぞと肌の上を這うもどかしい刺激に、震えそうになる躰を必死に抑える。尤も、無駄な抵抗だが。

寝ている間に脱がされた下半身は、パンツ一丁に履かされたニーソックスと非常に頼りない格好にされている。執拗な愛撫に、慣らされた躰が反応を示してしまうのは避けられない事で。


「へぇ、脚だけで、こんなになっちゃうんだ?」
「っ、誰のせいだよぉ……」


孝雪の揶揄に反論する声は、情けなく震えていた。否、こんな反応を示しておきながらの言葉では、反論とさえ呼べない。

知らずうっすらと水膜を張っていた黒橡の瞳をギュッと瞑ると、頬を一筋雫が伝った。


「かーわいい」


そんな泣き顔こそ、可愛いだなんて言う趣味の悪いこの男は。

くすくすと笑う声にうっすらと瞼を開けると、空色の瞳を細め、壮絶に煽情的に笑った表情が視界に焼き付いた。


(……見なきゃ良かった)


もう逃げられないと、知ってしまうから。

再び伸びてきた手に形ばかりの抵抗で応えながら、御門は内心で白旗を上げた。尤も、まだ口にも態度にも出すつもりはないけれど。


(存分にどうぞ、なんてこの変態相手に言える訳ない)


例え、いつであってもそう思っていても。














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イイニーハイの日に書こうと思って、冒頭で止まってたSSを発掘供養。孝雪はフェチ臭い変態臭い(笑)

御門くんはきっと美脚。


15/1/5

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あきゅろす。
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