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NOVEL
けまけま!(rkrn/留三郎と伊作)
9年目のプリンス、食満留三郎。

武闘派な彼は、だからこそ分からないこともあった。

【けまけま!】

「伊作……」

「何だい留さん?珍しいね。留さんが保健室に来るなんて。」

「実は最近、少し体の調子が……」

「何!?どこが悪いの!?もう!留さんはすぐ無茶するんだから!!」

留三郎に詰め寄る伊作。まるで修羅のような勢いである。

「いや、近い。伊作!」

「あ、ごめんごめん。それで?」

向かい合うように座り食満の様子を伺う伊作に、食満も言いづらそうに口を開いた。

「……それがな、胸が苦しいのだ。」

「え!?心臓!?肺かな!?今も痛む!?」

「いや今はないが……まれに激しい動悸に襲われるんだ。」

「まれに??運動の後とかかい?」

「うーん……いや後輩と「伊作せんぱーいっ」――うっ!」

「ちょ、留さん大丈夫!?あ、乱太郎!ちょっと手伝ってくれるかい?!」

「は、はいっ!食満先輩、大丈夫ですか!?」

「っ、乱太郎…いや、その、大丈夫だ!」

「留さん!駄目だよ!顔も赤いし、奥で横になった方が良いよ!!」

「だが…」

「食満先輩!その方が良いですよ!私、頑張って看病します!」

ね!と乱太郎に覗き込むようにして説得された留三郎は、これ以上ないほど顔を赤くして慌てた。

そして。

「……っ、もう大丈夫だ!!」

そう言い残すと、流石は忍と言わん動きであっという間に走り去ってしまった。

「食満先輩!?伊作先輩!追いかけた方が良いでしょうか!?」

慌てる乱太郎。その保健委員っぷりに伊作は一瞬感動で涙を流しそうになるが、こらえて首を横に振った。

「いや、僕が行くから乱太郎は保健室で当番に当たってくれるかい?」

「はいっ!」

笑顔で頷いてくれる乱太郎に後を頼み、伊作は歩き出した。

「……まさか留さん…」

横から留三郎と乱太郎のやり取りを見ていた伊作は、何となく何かに気づいていた。
その症状、そして。

――何より乱太郎をみる瞳。あれは。

「うっわぁ……まさか惚れたとか、いや、もう……絶対に気付かせてやんない。」

――それは恋だ、なんて。

「留さんには悪いけど、ただでさえライバル多いのに止めてよねー……よし。風邪とでも言っておこ!」

にっこりと微笑みながら、伊作は留三郎を追って6年長屋に向かうのだった。

………………

「……俺は、どうしてしまったんだ!?」

自室で頭を抱える留三郎。脳内では乱太郎の笑顔がリフレインしている。

そんな留三郎に、伊作が笑顔で【風邪】だと告げるまで後少し。


end?

2011/02/02
6は→乱でしたv

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