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NOVEL
闇落ち円堂ネタ@(円堂→影山)
「円堂……」

オイオイ、そんな目で俺を見るんじゃねぇ。

知っていたさ。俺の爺さんが影山に命を狙われていたことも。

――だから、俺はサッカーをやっているんだぜ??


【凍てつく闇の冷たさを】


幼い頃から、母親は俺をサッカーから遠ざけようと必死だったように思う。
俺はと言えば、そんなことには気づかないふりをして、まるで全て偶然か運命かとでもいうようにサッカーを始めて。

「んなわけねぇだろ。」

思わず呟いてしまい、ハッとして周りを見わたすが幸い周囲に人の気配は無い。

そう。俺、円堂守は、本当はこんな人間なのである。
天真爛漫で、サッカーを愛するサッカー馬鹿で、頼れるキャプテンで。
そんなのは、俺が周囲を欺くために作り上げた虚像にすぎない。

俺がサッカーを続けていくことで、必ず影山は俺に目を止める。なんてったって憎い敵の孫なんだから。
俺は、影山が接触を図ってくるのをずっと待っていたのだ。
影山の恨みは、爺さんが活躍し始める前後の情報からすぐに分かった。爺さんをはじめとする若手の台頭とともに消えた選手のことは、当時のワイドショーもこぞって取り上げたのだから分からないはずもない。
それを知っていた俺には、40年前からの影山の行動も薄々分かっていた。

――俺は、待っていたのだ。

ただ、影山が俺に近づいてくる時を。

俺が影山のことを知った時、それは紙面上やネット上などの情報に過ぎなかったが、真っ先に感じたのは憎しみなどという負の感情ではなかった。
あまりにも複雑な気持ちで正直言葉にするのは難しいが、そう、最も当てはまる言葉を探すならばそれは……


「……愛しいんだよ。あんたが。」


悪役気どりで、それでも最後にはそうなりきれないのが目に見えてる。
だから、はやく俺のところに来いよ。
無邪気さを装って、その鎖から解き放ってやるからさ?

ふと、周りを見渡せば夕焼けに一面真っ赤に染まっている。
すっと目を細め、円堂は誰も見たことが無いような皮肉めいた笑みを浮かべる。
そして、大きく息を吸い、ゆっくり吐きながら目を開けば、そこには誰もが知る【円堂守】の姿があった。

「おーい、円堂!」

そこにかかった仲間からの声に、円堂はいつものように笑顔を浮かべる。

「風丸!今帰りか??」
「ああ、一緒に帰らないか?」
「もっちろん!」

そして、大きな声で笑いながらその場を後にした。

後には静寂が残され――夜の帳が下されようとしていた。

end?///////
2011/01/10
妄想激しすぎて本当にすいません。なんだよ円影って。初めて見たよ!!(笑)
少しでも面白いと思って頂けたら幸いですー…需要なさそうなのでその時は一声お掛け下さるとまた書きますv〈え?

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あきゅろす。
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