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最弱魔族観察日記

18※
魔王の声には笑いが混じっていた。
しかし、その目に浮かぶ熱は先程までとは比べ物にならず…

「あ…っ」

 あまりに強い眼差しに、フェリスはこれ以上下がれないとわかっていながらも身体を逃がそうとした。

そして、その行く手を阻むしなやかな腕。

「…逃がすと思うかい?」

「―――っ!」

すっと間近で見据える魔王の瞳に、フェリスは声にならない悲鳴を上げた。

「やっ、嫌だっ!!」

このままではヤバい、本能的に悟ったフェリスは魔王を蹴り飛ばそうとした。

しかし、もちろん魔王に対してそんな攻撃が通じるはずもなく

「まったく…余程私にお仕置きをして欲しいようだねえ…」

「ちっ、違っ…!!」

プルプルと首を振る。

普段のフェリスのものとは違う、そのどこか幼い仕草に魔王は一瞬意外そうな顔をしたが、次に音を立てずに笑った。

それを馬鹿にされたのだと思ったフェリスは、怒りと羞恥とで顔を赤くする。

「…っ、離せよ!!」

「離すわけがないだろう?いい加減、覚悟をお決め」

言葉とともに、魔王の手がスカートの中に入り込む。

「やめ…っ!!」

そして、膝裏から大腿部へかけて嫌味なくらい長い指を、何度もスルスルと行ったり来たりさせた。

その指先でくすぐられるような感触に、ゾクリと身体が反応する。

フェリスはその感覚をどこかへやろうと何度も身を捩った。




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