最弱魔族観察日記
32※
フェリスの喉から絞り出るような悲鳴があがった。
ろくに慣らしもしていない内部の粘膜を押し拡げられた、絶え間なく続く苦痛と圧迫感からの声――ではなく。
「ぁひ、ィッ!?…ひ、ぃぁあああぅ!!は、ひぃいっ…止めっ…んゃぁあああ───!!」
激しく穿たれたフェリスの躯が弓なりにのけ反り、甘い啼き声があがる。
「ひ…ィあぅう…!!あ、はっ…はぁはぁっ…あ、うぅ…」
何の準備もなく挿入された筈なのに、何故か甘い毒に犯されたように快感しか感じない。
「…テ、テメェ……俺が寝てる間に、何しやがった…」
息を乱しながら上にある魔王の顔を睨み付けるが、その瞳は既に快楽に濡れ始めていた。
「大したことはしていないと言っただろう?自分の性質が淫らであるのを、さも私のせいであるかのような言い方をされるのは、あまり気分が良くないねぇ」
やれやれと呆れたように魔王は言うが、そんな訳がないのだ。
いくら自分が不本意ながら、『こういったこと』に慣れているからといって、いきなり突っ込まれて、こんなに痛みがないことなどあり得ない。
「痛みがない…ではなく、堪らぬ快感を感じている、の間違いだろう?お前にとっては、苦痛を与えられることすら快楽と成りうるだろうからねぇ…」
繋がっている部分が爛れそうに熱い。
しかし、それが快感であるなど、何があろうと絶対に認める訳にはいかない。
「…お前がどれ程否定しようと構わないがねぇ…お前の躯はこの上なく正直だよ…」
魔王は笑うと、アナルを押し拡げられる刺激に勃ち上がり、ビクビクと悲しそうに震えるソレを形良い指で摘む。
そして既に先走りを漏らしている尖端の窪みを、爪でクチュクチュッと強く抉った。
「ひゃぅ、ぅんンッ!!ッ、んくッ!!いゃ…嫌ぁあッ…あくぅんん!!触るなっ…ふ、ぁ…止め…止せぇっ!!あひィィッッ!!」
そうされると、まるで射精しているようなあの快感が常に躯を襲うのだ。
あまりに強い快楽に、フェリスの躯が痙攣するようにビクビクと震える。
そして、フェリスが限界に達しようとした瞬間――魔王はペニスから手を離した。
「んんぅ…はふっ……ん…ん…、はぁ…ハァハァ……」
「…しかし…私とて、愛しい者に苦痛を与えるのは本意ではないからねぇ…もし本当にお前がこの行為に苦痛を感じるのであれば、私はこれ以上お前に触れる訳にはいかないね…」
フェリスにしてみればとても正気とは思えない台詞を、魔王は美しい笑顔で言った。
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