最弱魔族観察日記
33※
そして、魔王はフェリスから躯をゆっくりと離していく。
それに合わせて身の内からズルリと異物が抜けていく感覚に、フェリスの喉の奥から抑えきれない嗚咽が漏れた。
しかし、こんなところで止められても、快楽は既に躯中に回ってしまった甘美な毒のように熱い疼きを誘発し、フェリスを内側から激しく責め苛んでいる。
「おや、辛そうな顔をして…どうしたんだい?お前の望みは叶えてあげたのだから、もっと喜んだらどうなんだい?」
「テ、テメェ…」
「ああ、それとも…もしや、やめて欲しいというのは虚言で、本当はもっとして欲しかったのかい…?」
そんな風に尋ねられて、あのフェリスが『して欲しい』などと答える筈がない。
「……な、何を寝惚けたこと言ってやがる。わ、わかってんだろ…お、俺は…テメェなんかに用はねぇ。さっさと…か、帰らせてもらうぜ…」
ガタガタと躯を震わせながらも、意地を張って苦痛に耐えるように歯を食いしばる。
ともすれば、哀願となってしまいそうな言葉を、必死の思いで拒絶へと変えて。
魔王は躯の前で腕を組むと、首を傾けた。
「ふむ…とてもそうは思えないが…?……どうやらお前の躯は、ことごとくお前の言葉に逆らうようだねぇ…」
「あぅッ!!」
フェリスの躯が跳ね上がった。
艶やかな笑みを浮かべながら、魔王がツンと固く尖り立ち薄紅色に染まった乳首を、指先で軽く突ついたのだ。
「おやおや…」
クスクスと繊手を口元に当て、堪えきれないように笑いを溢す魔王をフェリスは潤んだ瞳できつく睨み付ける。
「テ、テメェ…」
「本当にお前は仕方がないねぇ…確かに、そういうお前を見ているのも悪くはない…しかし、私もそろそろ焦れてきたからねぇ。私は好きにすることにしたので、お前は好きなだけ我慢していると良い…」
言って、魔王は赤く色付く乳首の先端をパクッと咥えた。
「ヒャァ!!ァ、あ、あ、んぅッ!!」
そして小さな突起を絡め取り、捏ね回し、強い吸引を繰り返し、片手では空いた乳首をクニクニと揉み上げる。
「ひ、や、ぁあっぅ…ッ!!やめ…いゃ、だっ…も…ぁあぅ!!」
チュゥチュウと吸い上げられる刺激と突起を揉み上げられる刺激に、躯の奥から熱い疼きが湧き上がってくる。
魔王の舌が、ますます硬くしこった乳首に絡みつく。
「ハッ、あ‥アンッ、あ、や‥めっ…ンァァあ!!」
真っ白い歯を軽く立ててコリコリと強弱をつけて扱かれ、フェリスは小さな疼痛とそれを遥かに凌駕する快感に襲われる。
「はァん…ッ!!あ、あ、あ…ャ、ゃぁあっ!!止め、や、めろ、あ…ひィッ…ぃや…ぁああっ…!!」
赤く染まった左右の乳首を同じように激しく執拗に嬲り回される。
続けられる愛撫のせいでフェリスの自身は苦し気に震え、触れられてもいないのに蜜を流し始めていた。
しかし、決定的な刺激には僅かに足りない。
それをわかっているだろうに、先程の言葉通りに、魔王はまるで焦らすように好き勝手にフェリスを蹂躙し、刺激を加えていた。
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