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最弱魔族観察日記

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それに空腹は最高のスパイスだとも言うではないか。
そりゃ確かに最初フェリスを見た時をかなりガッカリした。
服がボロボロで汚れているのはいい。自分達だって同じような状態である。
身体の方はハッキリ言ってストライクど真ん中である。
声だってかなり良い感じである。

では何が問題なのか―

「大体何でアイツはあんなに泥だらけなんだよ!?特に顔!!」

ジュークが苛立たしそうに髪をかきむしる。
そう、フェリスの顔は本当にドロドロだった。
上半分は長めの前髪が泥で張り付き、その造作を完璧に隠し切っているし、下半分も泥で真っ黒である。
あれではヤル気が全く出ない。出ないはずなのだが…

「でも洗ったら意外に、ってこともあるんじゃないかな…」

リュサは自分のカンには、それなりに自信がある。
リュサの答えにジュークは少し肩をすくめただけで何も言わず、フェリスが1人で身体を洗いに行った方向を見やる。

「そう言えば…アイツって全然魔力感じねぇよな。本当に魔族なのか?育ち過ぎたマンドラゴラとかじゃねえよな。」
「それはないでしょ〜。でも確かにちょっと感じなさ過ぎだよね。死にかけたバッタみたい…」

雰囲気を変えようとしたのか、ジュークが言って来た。

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