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「女神の受難!?」

呪われた魔剣2
「魔力を…吸いとる…」
「うん、多分あの剣何かあって折れたんじゃなくて元々ああいう形でさ。使い手の魔力を吸いとって剣になるようになってるんだよ。で、使い手に形に出来るだけの魔力がない場合、代わりに生命力を吸いとる…って感じかな。まあ、これは僕の推測だけど、多分間違いないと思うよ。現にルーはあの通り、殺しても死なない位元気だし」
「じゃあ…さっきのは…」
「さっき…ああ、あの蛇野郎の首が飛んでった時のこと?う〜ん…実は僕あんまり良く見てなかったんだけどね。多分あの感じだと、ルーが『遠距離攻撃』したんじゃないかな?」

あの状況で、それを見ていなかったというリンの神経がセツナには信じられなかった。
しかし、それ以上にとんでもないことを聞いた気がする。

「え、遠距離攻撃…?」

暑くもないのに、嫌な汗が額に浮かぶ。

「うん。あの剣、元が魔力っていう形がないものだからさ。飛び道具とか魔術みたいに、離れた所に攻撃したり出来るらしいよ。刃の長さも、ある程度自分で調節出来るみたいだし、重みもない。便利だよね。ルーが気に入るのはわかるよ」

リンは簡単に言って笑っているが、セツナは全く笑えない。

使い手の魔力を剣の形にするだけなら問題はない。
しかし、いかに便利な能力があったとしても、魔力が足りない時には代わりに生命力を吸いとる剣など、洒落になっていない。

「そ、そんなの…危険過ぎる!!そんなの使ってて、もしものことでもあったら…」
「まあね。少なくとも僕なら絶対!!お断りだけどさ。実際使ってるのは僕じゃなくてルーだし…大体ルーだって子どもじゃないんだから、危ないのはわかってる筈だよ。それを承知で使ってんだから、何かあっても自分の責任だよ」

口調や言っている内容は冷めたものだが、表情は嬉しそうなままだ。

「それに…多分ルーは大丈夫だと思うよ。ルーは魔術は使えないけど、持ってる魔力は馬鹿みたいに高いし。きっとそう簡単に生命を吸われたりしない筈だから」

先ではルーに対してかなり酷いことを言っていながら、次には信頼とも取れることを言う。
セツナにはリンがルーのことをどう思っているのか、さっぱりわからなかった。

混乱し始めたセツナをよそに、リンはそこで腰に手を当てると一転、何か企むようにその大きな蒼瞳を細め

「でも、いくら魔力高くても魔術が使えないんじゃ、僕の足元にも及ばないけどね。まあ、それでも?魔力がない奴に比べたら随分マシだとは思うけど」
「おっと…ルーの話に見せかけて、実は巧妙なオレへの批難かいな…」

さすがに、それは予想してへんかったな…聞き耳を立てていたらしいレイが、どこか諦めの混じった空虚な声で呟いた。


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