「女神の受難!?」
素直になれない 「き、君には関係ないよ」 「いや、関係あるだろ?だって今オレの名前が…」 「関係ないって言ってるだろ!?」 当たり前とも言えるセツナの言葉に、しかしラクシュナは取り付く島もない様子で顔を背ける。 そんなラクシュナの態度が面白い筈がないセツナは 「ああ、そうかよ…最高神様はオレみたいな二流の「黒神」とは口も聞きたくないってんだな」 「え…」 「悪かったな、さっさと出て行くよ。姉貴、オレ先帰るからな」 「あ…ち、ちょっと待って「待ちなさい」 焦ったようなラクシュナの言葉を遮り、アンドラーシュがドアノブに手をかけたセツナを呼び止める。 「アンタ、人の話は最後まで聞きなさいよ。用もないのにわざわざ連れて来る訳ないでしょ」 紅色の瞳に剣呑な光を浮かべるアンドラーシュに呑まれ、セツナは渋々戻って来る。 「で、用って何だよ」 憮然とするセツナに、アンドラーシュは肩をすくめ 「ラクシュナ」 セツナは気付いていなかったが、セツナが戻ってきたことにより安堵したように息を吐いていたラクシュナに話をするよう促す。 「えっ?あ、うん…ゴホン。第3級神族「黒神」セツナ、君に勅命を下す。こたびの『王選の女神』として人界に赴き、王を選べ」 ラクシュナは一つ咳払いをすると、厳かな声で命令を下す。 「…………は?」 告げられた言葉にセツナの目が、点になった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |