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やだやだと抵抗する唯と会長のあとを亮平が慌てて追いかける。
自分が言い出した事だけど、少し唯が可哀想だなと思った。
視線を扉から未琴に向ければ、「何なんだよアイツ!」とイライラしているのかブツブツと文句を言っている。
「唯って最低だな!いつもああなのかよ?」
プンスカしながら振り返った未琴は、残った爽太と響に詰め寄った。
どうしたらいいのかわからないのか「えっと……」と、しどろもどろになる響。
打ってかわって鬱陶しそうに顔をしかめる爽太は「未琴が相手だからじゃないの」と面倒くさそうに言い放つ。
そんな爽太に俺は吹き出しそうになった。
まさかあの爽やか代表みたいな爽太がこんな嫌味を言うとは思わなかった。
「俺は特別って事か?」
「何だ、案外良い奴なのかもな!」と先程のプンスカはどこへやら上機嫌の未琴に更に俺は笑ってしまった。
随分ポジティブシンキングな子だ。
爽太はあまり好きじゃないみたいだけど俺は面白そうな子だと興味が沸いてくる。
クスクス笑う俺に視線を向けてきた爽太はムスッとしている。
うーん……こういう表情も好きだけど、やっぱり笑顔が一番好きだなぁ。
未琴がいなくなればきっと機嫌も良くなるんだろうけど。
「立花先輩、必要以上に関わらないで下さいよ」
「うん、わかってる。大丈夫だよ」
念を押すように再度言ってきた爽太。
心配性だなと思いつつ微笑みを浮かべれば、俺達二人の会話の意味がわからないであろう未琴が「……?何の話してるんだ?」と食い付いてくる。
何でもないと流していると言うのに「何の話だよ!友達を仲間外れにしちゃ駄目なんだぞ!」としつこいんだから、さすがに面倒くさい。
自称穏和な俺もちょっとイライラしてきた。
「それより、未琴。未琴は転入生なんでしょ?」
「それがどうしたんだ?」
「部屋の片付けとかしたの?もうすぐ食堂も閉まるし、まだなら早く部屋に戻らないと」
「あ゛っ」
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