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04


「そうなんだ」



なるほど、確か新歓の内容は全て生徒会が決めるはずだ。
という事は今日の会議には生徒会もいるってことで――そこまで考えたところで俺は深いため息をついた。
生徒会には面倒くさいのがいる。

俺のため息に「どうした?」と不思議そうな顔をする風折に心配させまいと、首を振る。
それから笑顔を作って「そう言えば、」思い出したように口を開いた。



「去年は何したんだっけ、鬼ごっこ?」


「それは一昨年だ。去年は隠れんぼだ」


「あー……確かにそうだったかも」



何でもないように言う風折に対して、俺は顔を引きつらせて笑った。
正直、鬼ごっこも隠れんぼも俺にとってはさして変わりはない。


生徒会の選ぶ新歓の内容は明らかに適当なもので、「今回はダルマさんが転んだあたりかな」なんてくだらない事を言えば「どうだろうな」と流された。


相変わらず冗談が通用しない堅物なんだから、と思いながら歩いていると俺達は会議室についた。
扉を開ければ、そこには勢ぞろいした生徒会と教職員が座っていた。
やけにきらびやかな集団である生徒会。
視線を合わせないようにするが、どう考えても熱い視線が俺を刺していた。怖い。

見たところ俺達以外の委員会役員はいないらしい。
益々美化衛生委員の俺が呼ばれた意味がわからなる中、俺は空いた席に座った。



「それでは会議を始める。わかってると思うが今年の新入生歓迎会の話だ。
とりあえず予め配っておいたプリントを見ろ」



教職員もいるというのに生徒会長である城ヶ崎昴(ジョウガサキスバル)がこの口調なのは、生徒会が理事長の次に権力のある存在だからだろう。
そしてそれが当然だからか、職員達は何も言わずにプリントを眺めている。

プリントに視線を落とせば新歓の日時や内容等諸々が記入されていた。
……もう面倒くさい会議なんてやらずにプリント配った方が早いんじゃないの。



「今年の新歓の内容は……あー、唯。お前が言え」


「え、オレ?仕方ないなぁ、ほんと面倒くさがりなんだから会長は」






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