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どんだけ飲みやがったんだよアイツら、カーペットのシミとかどうしろって言うんだよ。

苛々しながら缶を拾い集めていると、七瀬がもぞもぞと動く。



「……かた、ぎり?」


「起きたのか、七瀬。気持ち悪いなら水持ってくるけど、大丈夫か?」



吐かれて、ソファまで汚されたら堪忍袋の緒が切れるのは間違いない。俺は最後の缶を袋に詰めた。

七瀬はボーッと俺を見る――寝起きだからか、酒飲んだからかわからないがヤケに大人しいな。いつもこれくらい落ち着いてたら楽でいいんだけど。



「……ああ、じゃあ頼んでもいいか?少し気持ち悪くてな」



おいおいおいおい。頼むぞ、吐くのだけは頼むからやめてくれよ。こんなに大人しいのも、もしかして気持ち悪いからなのか。そうなのか。

俺は袋をその場に置いたままキッチンへと急ぐ。それからコップに水を入れると、ソファに座ったままの七瀬に突き出した。



「ほら、水」


「ありがとう」



それを受け取った七瀬は、一口飲んでから微笑む。

なんて大人しいんだ、こんな七瀬なら幼なじみでも大歓迎なのに。





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