[携帯モード] [URL送信]
不穏な空気が漂って参りました。



「コタは授業?」


「おー。誰かと違って特権持ってねーからな」


「コタも風紀入れば。今人手足りねえし」



ヒナの提案に、俺は苦笑した。
あのヒナに御執心の委員長が、ヒナの友達の俺を入らせてくれる訳がねーよ。



「俺は風紀委員って柄じゃねーよ」


「……そうか。コタが風紀委員なったら、今よりもっと一緒にいられるのにな」



コイツは、どうしてこうもアホなんだ。無自覚でそういう事言うの止めてくんねーかな、反応に困る。


どこか残念そうに言ったヒナに俺はため息をついた。俺が何故呆れているのかわかっていないらしいヒナは、首を傾げている。



「俺ももっと一緒にいたいけどな。まあ仕方ねーよ」


「……ん」



小さな笑みを浮かべた俺は、ポンポンと優しくヒナの頭を撫でた。

ま、こればっかりはほんとに仕方ねー問題だよな。





俺達は校舎の一階の階段で別れた。ヒナはもっと校舎の奥に進んでから屋上へ、俺はこの階段を登って三階の二年E組のクラスへ行かなければならない。

が、階段を上ろうとした所で 目の前に一人の男子生徒が立ちはだかった。



「……何だ、テメェ」







あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!