風紀委員室に行くと、既に神代さんと瑠璃川先輩は仕事を始めていた。まだ部屋に帰らないらしい、どんだけ沢山仕事があるんだ。
「あ、お帰り二階堂君」
静かに風紀委員室に入った俺に気付いた瑠璃川先輩が、フワリと笑った。
俺は軽く会釈をする。
「ったく、何してたんだよ。生徒会の奴等に絡まれなかったか?」
「大丈夫っす」
ぶっきらぼうに言うが、一応心配してくれているらしい。
俺が頷くと、神代さんは満足そうに笑った。
とりあえず、顔を見せた事だし 帰ろう。
「俺、行かなきゃなんすけど」
「何か用事でもあるの?」
「友達が部屋来るんすよ」
デスクに頬杖をついてこちらを見つめる瑠璃川先輩に言う。
「友達ぃ?誰だよそれ」
神代さんは手を動かしながら不機嫌そうに眉間にシワを寄せる。また怒ってる。
誰って言われても……コタの名前を言うのもおかしいよな?そこまで報告しなきゃならねえ意味もねえし。
「神代。気になるのはわかるけど、そこまで聞く必要はないと思うよ」
「……ハイハイ、ったくしょうがねぇな」
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