2 「っ、テメェ何ビビってんだよ!」 「だってコイツ髪の毛銀色だぜ?しかも、確かコイツ授業サボっては町で族潰ししてるって噂の……」 「二階堂日向(ニカイドウヒナタ)……!」 もう一人の男が、俺の顔を見るなり顔を青くした男の肩を掴む。 するとその男は族潰しとか訳のわからない事を言って後ずさった。 ……俺、授業サボっては屋上で寝てるだけなんだけど。 何でこんな噂流れてんの。 とりあえず族潰しは身に覚えはないが、名前は確かに合っていた。 俺から距離をとるソイツ等。 まあ噂がどうであれ、怖がられてんならそれはそれでやり易い――俺は目隠しをされて半裸で床に転がる生徒に近付く。 まだ未遂だったようだ。 「待て、コレは俺達のだ。ヤりたいなら俺達の後にしろ」 俺の前に、一際デカい奴が立ち塞がる。 こんな奴に突っ込まれたら裂けそうだな、とそんな事を思いながらソイツを見上げる。 つうか、別に俺はヤりたいわけじゃねえんだけど。 「おい……!」 仲間のうちの一人が、デカい男の腕を掴んだ。 これ以上はやめとこう、そう耳元で呟くのが聞こえる。 俺としても面倒事は避けたいから、やめてくれるならそれはそれで有り難い。 「心配すんな。それにコイツ見てみろよ。案外良い顔してんじゃん?」 「……まあ、確かに」 ニヤリと笑ったデカイ男は、俺の顎を掴んだ。 予想外の行為に避けられなかった。 ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべる気持ち悪い男に、鳥肌が立つ。 汚い手で触ってんじゃねえよ……! ←→ |