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ああ、そういえば最近は仕事が忙しくて中々二階堂の部屋に行けないとか言ってたっけか。
今何食って生活してんだアイツ。
……気付いたら死んでました、じゃ笑えねーぞ。
「アイツ次第だな。アイツにあるのは睡眠欲くらいだろ」
「神代は性欲しかないよね」
「……お前はさっきから……!」
ちょくちょく嫌味を笑顔で挟んでくる瑠璃川に、俺は我慢出来ずに立ち上がる。
「駄目だよ、騒いだら二階堂君が起きちゃうよ。
それに、神代ってばよく二階堂君を狼が獲物を狙うような目で見てるでしょ?」
「見てねぇよ、それはお前だろ」
俺はしぶしぶ席に着くと、瑠璃川を睨み付けた。
だが瑠璃川には効果があるはずもなく、相変わらずニコニコと笑っている。
「嫌だな、俺は弟を見守る目で見てるよ」
「どこがだよ。弟じゃなくて恋人の間違えじゃねぇの?」
さっきだって、明らかに恋人を見る目付きだった。
あれが弟を見る目付きのわけあるか。
眉間にシワを寄せて言えば、瑠璃川は困ったように笑った。
「そう見える?次から気を付けなきゃね」
そうやって、すぐ笑って誤魔化す。
こっちはお前が二階堂を気に入ってる事くらいわかってるんだっての。
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