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俺は書類を拾い、デスクに置く。
デスクには九条満の個人データの書類が広げられていた。
どうやら、神代さんはコイツの事が気になったらしい。
「ごめんで済むかっ!言うなっつったろアホ!」
へー、九条って一般家庭なのか。
確かに平凡だけど、この学園じゃ逆に珍しいな。
ま、どうでもいいか。
あの平凡の事なんて興味ねえし。
……つうか、まだやってるよ神代さん。
「神代さん」
「あ゛!?」
「いつも有難うございます」
未だギャーギャー騒ぐ神代さんの肩を突っつけば、物凄い形相で振り返ってきた。
「……何だよ急に。明日は地球滅亡か」
まだそのネタ引きずってんのかよ。
神代さんは言葉とは裏腹に、少し照れたようにそっぽを向くと 瑠璃川先輩の胸ぐらを離した。
「いや、別に。ただ神代さんって案外優しいなと思って。そういうの嫌いじゃないっすよ」
小さく笑みを浮かべれば、大概の人は大人しくなってくれる。
「……そうかよ。
おい瑠璃川!仕事続けるぞ!」
神代さんもその中の一人で。
頬を少し赤らめると、席についた。
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