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乙女と言ったのがいけなかったのか、瑠璃川は笑いながら毒づいてきた。
いや、いつもの事か。
俺は眉間にシワを寄せると「お前は……!」と勢いよく椅子から立ち上がった。
性欲の塊とか体しか見てないとか、いくらなんでも腹がたつ。
「相変わらず短気なんだから。そんなに怒らないでよ」
「カルシウムとってる?」その言葉が俺を苛つかせているという事に気付いているのかいないのか、瑠璃川はいつものように微笑みを浮かべていた。
その余裕そうな態度がまた俺の神経を逆撫でして、カッとした俺は瑠璃川を睨み付けると気付いた時には手元にあった消しゴムを投げ付けてた。
「テメェが怒らせてんだろ!」
「ちょっ……消しゴム投げなくてもいいでしょ!痛いなぁ、もう」
力一杯投げつけたせいか、直撃した瑠璃川は珍しく声を荒らげた。
「眼鏡に当たったらどうするの」と俺を睨み付ける瑠璃川に、ガキっぽいだろうが何だろうがスッキリしたには変わりなく内心ざまあみやがれと思った。
「んー……」
と、不意にソファから声が聞こえた。
二階堂を起こしてしまったのかと視線を向ければ、二階堂はもぞもぞと動くと寝返りをうつ。
しかし二階堂が寝ているのはソファで、寝返りをうてる程広くないわけで……。
「っで!!?」
二階堂は、勢いよくソファから落下した。嘘だろ。
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