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「ったく、面倒くせぇ作業増やしやがって。これで働かないんだから割りにあわねぇよな」



俺はブツブツと文句を言いながらも保存してあったファイルを開き、新たに名前を打ち込んでいった。

他の風紀委員にやらせてもいいが、何せまだ誰も来てねぇからな。
自分でやるしかない。



「俺達の心配なんて知らずに寝てるし……振り回されっぱなしだよね」



苦笑を浮かべてキーボードを叩く瑠璃川に、俺は「そうだな」と同じく苦笑。

まあ、それくらい俺達が盲目になってるのかもしれねぇけどな。
ムカつくから目ぇ覚ましたら新歓の書類を生徒会室に届けるパシりにでも使うか。
どうせあのクソ会長はいねぇし。



「そう言えば、桐生君は鬼役にしたの?」


「あー……しようと思ったんだけどな」


「……まさか、生徒会が?」



生徒会の会長様々から連絡があったと思えば、新歓で桐生夕貴を逃げる役にしろとの事。
生徒会の奴等は毎年鬼役は決定してるし、アイツ等の事だからどうせ桐生夕貴を捕まえたくて捕まえたくて仕方がねぇんだろ。
鬼は捕まえた奴に1つだけ命令できるってルールだしな。勿論両者合意の上での命令だけど。


桐生夕貴が逃げる役になったら面倒くせぇから鬼役にしようとしたっつうのに――俺はそんな事を考えながら瑠璃川の言葉に頷く。







あきゅろす。
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