RPGでいうなら、村人Aみたいな役割。俺はそれになりたい。 「……眩しい」 時刻は昼、丁度昼休み頃だろうか。 屋上にある天文部の部室(望遠鏡やら何やらが置いてある)の屋根で熟睡していた俺は、あまりの眩しさに目を覚ました。 普段のこの時間はまだ寝ているのに、いつのまにか太陽がこんなに眩しく―― 「夕貴!そんな万年発情期にくっついてたら腐りますよ。こっちに来なさい」 「ハァ!?夕貴、その腹黒の事なんか真に受けるなよ!」 「腹黒?誰に向かってそんな口を……」 ――――いや、違う。 騒がしい奴等のせいで目が覚めたんだ。 屋上から中庭を見下ろせば、奴等がいた。 俺は、風紀委員の権限を利用して授業には一切でない。 それだから今まで気付かなかったらしいが、最近同じクラスに転入生が来たようだ。 「喧嘩しちゃ駄目だぞ!みんな仲良くしようぜ!」 それがあの馬鹿デカい声の持ち主、桐生夕貴(キリュウ ユウキ)だ。 モサモサの黒髪(本当に地毛か?)に分厚い眼鏡。 そしてとにかく声のボリュームが人よりも倍くらい大きい。 お世辞にも整っているとは思えない容姿のソイツは 俺が気付いた時には、もう生徒会や学園の人気者をタラシ込んでいた。 今中庭に一緒にいる人も、やけに顔が整っている。 風紀委員の先輩達はどうなんだろう、一瞬そう思ったが、あの人達が仕事を増やす元凶のアレを好くわけがない。 そもそもあんな奴と関わっていたら仕事がままならない。 → |