――――私は、途方に暮れていた。
入学式から次の日、場所は高1Aの教室。次の授業は化学で、初の授業でいきなり化学室で実験――そう、つまりは移動教室という事だ。
初めてのクラスでの移動教室は、友達を作る絶好のチャンスだ。化学室に向かう途中でコミュニケーションをとり、気に入られればこの先友達の不安はしなくていい事になる。お先安泰だ。
だが、今の私は何だろう。
話かけるところまでは良い。しかし、みんな苦笑を浮かべ「ごめん、一緒に行く子いるから」と行ってしまう。明らかに友達がいない子までにそんなことを言われれば、いくらなんでもこの現状の危機に気づく。
これはもしかすると、いやもしかしなくても私は避けられているだろう。そして思い当たる節はただ1つ、昨日の馬鹿に思わずツッコミをいれてしまった事だ。
私のように平凡ライフを望む人種は、派手な人種や非凡な人種、とにかく目立つ人種と関わることは極力避ける。
つまり私は、昨日馬鹿にツッコんだせいで変に目立ってしまったのだ。もうお先真っ暗だ。鬱だ死のう。
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