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気付いた時には、私は立ち上がり、机に置いてあったペンケースを宮本さん――否、馬鹿に投げつけていた。
だが残念なことに馬鹿はペンケースをサッと避けていた。

馬鹿の向こうにいた地味なメガネの男子生徒にペンケースが直撃していたが、そんなことは最早どうでもいい。
メガネが割れたとか、知らない。私は見ていない。


「ああ、ホワイトバードちゃんか。わたしに何か用か?それとも枕投げもといペンケース投げをして友情を深め合いたいとかいうアレ?」

「その呼び方止めてくれない?コッチが恥ずかしいから止めてくれない?」


こちらを向いた馬鹿の顔をまじまじと見れば、やはりムカつく程に顔が整っている。
そして更にムカつく事に、笑顔のその表情はマジでムカつく(大事な事なので二回言いました)程に綺麗だ。


「ホワイトバードは不服なのか?」

「当たり前だよね。不服以外の何があるの?何なの?あんた馬鹿なの?」

「馬好きなだけにな!」

「どや顔すんな殴るぞ」


ひらめいたような顔で自慢気に言い放つ馬鹿に、普段穏和な私は苛立った。
特に上手いわけでもないのが、また苛々をかきたたせる。

知らず知らずのうちに、私は右手をきつく握りしめ 拳を作っていた。

それを見てシバケンは慌てる。さすがに入学式初日から自分のクラスで暴力事件というのは避けたいらしい、当然だ。







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