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自分と同じような、平凡そうな人間を選んで一緒に行動する。かと言って特別仲良くするわけでもなく、話を合わせて話す程度の間柄がベストだ。


「白鳥ー、次お前だぞ」


一緒に行動をする生徒を後ろから吟味していると、柴田健次――もといシバケンが私の名前を呼んだ。
知らないうちに私の順番が回ってきたらしい。

ハッとして立ち上がって、意識して口角をあげる。どんな平凡キャラだろうが第一印象は良い方がいいだろう。


「白鳥綾です。中学時代は美術部でした。1年間宜しくお願いします」


平凡な自己紹介を終えて一礼すると、今時の女子高生のように短くしていないスカート(とはいえ高1がスカートを短くすれば先輩に目を付けられるだろうが)を押さえながら席についた。


それから、自己紹介が続く。
もう他の生徒も自己紹介に飽きたらしく、殆どの生徒は机に突っ伏している。


「おい、宮本?寝るな、お前の番だぞー!」


そう、次の自己紹介をする生徒も机に突っ伏していた。
宮本と呼ばれた生徒は最後の女子生徒だ。私の席の左の列の後ろから三番目の席。長い黒髪は投げ出され、貞子のようだ。

シバケンに名前を呼ばれ、貞子(仮)はモゾモゾと身動ぎをする。
それからゆっくりと顔をあげ、髪の毛をかきあげた。







あきゅろす。
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