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私はいつから短気になったのだろうか――コイツの余裕そうな態度を見ているだけで物凄く苛々する。
「お、ちゃんと皆揃ってるみてえだな」
ドアが開くと、そこから白いTシャツを着た男の先生が入ってきた。
日焼けでもしたのか浅黒い肌に、無駄に筋肉のついた体。Tシャツはピチピチのパッツンパッツンになっていて、更にホイッスルを首からさげている。
その姿は、今時漫画でも描かれないような典型的体育教師だった。
その男の先生は黒板の前に立ち、チョークを掴む。そして大きく黒板に名前を書いた。
「俺は高筋肉太郎(タカスジニクタロウ)だ!何か質問はあるかー?」
先生、ツッコミどころが満載すぎてさばけないんですがどうすればいいですか、そんなことを平凡キャラな私が聞けるはずもなく、ただ早くこの暑苦しい先生の授業が終われと願うばかりだった。
どの生徒もキャラが濃すぎるこの高筋肉太郎、略して筋肉先生の登場に唖然としているようだ。あの入学初日にムードメーカーとなった男子生徒までもが黙っている。
そしてこんな空気の中、挙手をした奴がいた。――そう、言わずもがなあの「馬鹿」だ。
「先生、質問があるんですけど」
「お前は……宮本か!何だ、言ってみろ!」
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