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笛吹少女ニーラ
※※

夜の闇の匂い。
サラサラとした風。
ひんやりとした石の壁。
明日にはヘンリバルへ出発する。

ミンからの連絡では、今度現れたゲートは地上世界の経済大国Aと紛争地域の狭間にあたる箇所に繋がっていて、危険らしい。


『妖奴』がどんな力を持っているのか、詳しいデータが何もない中、


そして藁をもすがる『シンコウ』の力が集まりやすい、紛争地域での作戦…


魔族に圧倒的に不利な状況下で、完遂することが出来るのか。





「あのぅ…」
すとんとしたワンピドレスについた大きなリボンの足をいじくりながら、挙動不審になるニーラ。


「ああ」


久しぶりに食事に呼ばれたってのにこいつwwww


「…」
オスロイス様は一点を見つめながら、酒のグラスを持て余す状態がかれこれ一時間は続いている…

「ご機嫌斜めのようなのであっしは失礼するとしま」
「…」

席を立とうとすると、腕を痛いくらい引かれてつんのめる。



駄々っ子めwwwww

ニーラは仕方なく冷めた精力増進ティーをすする。


「それ、普通に飲めるようになったんだな」

「ええ、と…はいw」


相変わらずユタが変な気を利かせているのがわかるwwww

けどオスロイス様はあれ以来手を出してこない。

べ、べつに出してほしいなんて思ってないんだからねっ!!


「…か?」
「へっ?」

「お前、元の世界に帰るか?」


オスロイスは、髪をかきあげてニーラを見つめた。


思考停止www




「で、でも明日からは…」

「無理してるんじゃないのか。」

「…」




確かに、安全になりつつあるもとの日本へ戻ってぬくぬくと暮らしたい気持ちがないといえば嘘になるんでつが…



「危険すぎて、誰も帰ってこれないかもしれない」
オスロイスは、グラスに残った酒を一気にあおった。


「ちょwwwまぢwwww」
お茶を吹きそうになりながら挙動不審になるニーラを無視してオスロイスは窓際へ立つ。
月明かりと幾何学的な魔法陣とオスロイスの綺麗な銀髪とが乱反射して、くらくらしそうなくらい綺麗だ。


「萌えwwwww」

「何だ?」
その萌えの対象は訝しげにちらっとニーラを見る。


「オスロイス様って自分がイケイケっちゅー自覚あるんですかwwwww」

「お前…
お前には緊張感もなにもないんだな」

あれwwwため息つかれたwwwこれまた一興wwwwww


「俺の容姿の何がそんなにいいのかわからん」
「良すぎです」
「間髪入れなかったな」

オスロイスの表情が少し明るくなる。


うむ。よかったwww

オスロイスの容姿について小一時間語ろうとしたところ、追い出されてしまったためそのまま悶々としたまま自室に戻ってじたばたするニーラなのであった。−

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あきゅろす。
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