笛吹少女ニーラ 学校… 廃墟の後ろから、二人組の男が出てきたことにも韮川よし子は全く気付かなかった。 耳元は、自分の音と風の音でいっぱい。 二人組は、白銀の鎧を着て、顔はよく見えない。 しかし、鋭く輝く剣を、韮川よし子に向けて構えている。 そして、じりじりと近寄っていく。 いくら風が吹いているとはいえ、フルートの音は耳に入るだろうという距離まできただろうか。 韮川よし子は、フィナーレの高音部を気持ちよく吹き始めた。 と、 二人組の男はがっくりと首をうなだれ、そのままガシャガシャッと音を立てて地面にくずおれた。『!?』 振り返ると、鎧が2体倒れている。 人のようだ。 これにはさすがにまじビビったwww 声も出せず、岩から離れて立ち尽くす。 セーラー服にランバードの紺のタオルを首にかけながらwww … … 死んだの?ねぇ、死んだの?? 東洋人と西洋人の混じったその兵士の頬を、持っていた楽器でつんつんしてみる。 『…ぐー…』 寝てんのかよ。 次の瞬間、体が宙に浮き、息が苦しくなった。 『…なあっ…!?』 [*前へ][次へ#] [戻る] |