笛吹少女ニーラ
清々しすぎる。
無限に広がる青空と蒼い草原のほかにはなーんにも見当たらない。
韮川よし子は後ろ手にドアを閉めると、外に向かって十歩ほど歩き、深呼吸した。
空気がうまい。
これはあれだ。
ネ申があたしをあたしの生み出したネバーランドに導いてくださったに違いない。
振り返ると、ちゃんとドアはある。
だが、建物は…
韮川よし子の知る学校の校舎の半分もない廃墟に変わっていた。
ちょwwww死んだwwww
遭難したwww
本来ならば失神しても可笑しくない状態なのだが、綺麗すぎる乾いた空気が気持ちよすぎて、自分が置かれている状況を忘れさせる。
どうでもいいよ…
もうちょい、ここにいたいっす。あたし。
韮川よし子は、岩に腰掛けて、さっきの続き、
ソからソノリテを開始した。
階段と違って、響きは風に消されていく。
だが、まるで音が小さいことなど感じさせないほどの開放感。
ソノリテをやめて、ゴールデン・エイジの一番はじめの曲をうろ覚えで吹き始めた。
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