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笛吹少女ニーラ


やめて…
やめてよ!!
お父さん…!!














最新刊の少女コミックにキレないで!


あたし…楽しみにしてたのに…取り上げるなんて非道よっっっ!





『しかし、弟に読ませたくはない』

『なんですかっ?!みなさんっ!!ニーラさんが目を覚ましましたよ!!みなさーん!!!』


あ…
この優しいバファリンのよーな声は…



『ミンさん…?』

目をうっすら開けると、ミンが部屋の呼び鈴を250回くらい連打していた。

『ニーラ様あ!』
ユタもいる。

寝過ぎたみたいで頭が痛い。

『み、みず…』
ユタに、懇願する。

『ただいまお持ちしますね!?ニーラ様、もう三日も眠ったままだったんですよ!このまま起きないかと…』







ドカッ

『あっ』

ユタの目線の先には、ドアを蹴り飛ばして入ってきた正装姿のオスロイスが立っていた。

『オスロイス様…』
ニーラはむくんだ瞼でそのアメジストのような瞳を見上げた。





『貸せ』
ユタから水差しを奪い取ると、オスロイスはそれを自分の口に含み、ニーラに口づけた。


『んぐ…』
冷たい水と、オスロイスの暖かい舌が交互に口内を掻き回す。



『ぷは』
『生きてたか』
『うまい棒』
ニーラはニヤニヤしながら親指を立てる。



オスロイスはニーラを一瞥して、またドアを蹴り飛ばして出て行った。


『あ、ハニィ…www』

ミンが、小声で『オスロイス様の唾液には、強い回復効果があるんです。ニーラさんに、早くよくなってもらうために毎夜いらしてたんですよ?』



ん?
嬉しいのはやまやまだが僕の貞操わ?www







『あのあと、記憶がないんですが、レンやオスロイス様の怪我やミユちゃんやギアロム様はどうなったんでしょうか』



ミンは、少し間をおいてから言った。
『実は、エイトを殺してしまったことでオスロイス様とレンは罰を受けた。でも、ミユさんは、女の子をギアロム様に渡して、宝石を持ってエデンに帰ったよ。ニーラさんのこと、心配していたけど、ここにいると貞操があぶないと云って。』



『炎のヤリチンと闇のヤリチンがいますもんねwww』



ミンは少し吹き出したが、続けて
『それで…なんだかギアロム様がニーラさんに個人的に接見したいとのことなんです。あの、捕縛した聖戦士が色々と吐いたみたいで』
とすごい怖いことを言ったwwww



『まじっすか…』
ニーラは猫背をもっと丸めて、あの日の冷たくて怖そうなギアロムの姿を思い出した。



殺されないと、いいなっ☆




『聞いているかもしれませんが、あの方はオスロイス様ですら逆らえない魔族の長です。何かないとも考えられません…非常に心配です。』

泣きそうな顔をするミンに、
『いじわるされてもへいきだよ』


と無理に笑って見せた…



そのあと、ミンは都立研究室にいくといい足早に出かけ、

ニーラは三日ぶりにお風呂に入り、パセリの液体を懐かしんだ。

天使やオスロイスの血液が、素肌にまだこびりついている。ああ、またつまらぬものを斬ってしまったwwww




…あのとき。
馬の化け物を倒した後、オスロイスは生暖かい血液を口移してきた。


あれは?
貴方の血なの…?
それも、回復効果?だから、あたしには傷一つないのかな。


ニーラは、雫の滴る唇に指で触れる。


いつもいつも強引なんだからwwwwwサディスティックスイーツ(笑)






ギアロム…様?に会うとき、誰かついてきてくれないかな…さすがに心細いわ…出来ればハニィ指名でww



ニーラが全身を洗い流し、ガウンを着て浴室から出るとユタが豪華なドレスとアクセサリーを用意していた。
『今日はグラド城ですね。最高級のものを用意しました。さあ座ってください。』




『ニーラ様?』
『あたし…ちょっと、オスロイス様に会ってから行く』




ユタが目を丸くする。
『まだ、時間はありますから大丈夫ですよ。でも…オスロイス様はずっとご機嫌斜めなので殺されないように気をつけてくださいよ?』



そう言うと、メイクだけちゃんとしてくれた。

『ありがと、ユタ!』
お礼を云うと、ニーラはオスロイスの部屋にガウンのまま猛ダッシュしていった…




やべえwwww
ノーパンだ…

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