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未知なる世界


麦茶をゴクゴクと飲み干し、コップをシンクの中に入れた。

今日は疲れていた。
だから、朝までぐっすりと寝れるハズだった……のに、悪夢を見たのか何なのか、寝ぼけることなく強制的に目覚めさせられた。

オマケに、豆電球まで切れて真っ暗になっている始末。暗闇に慣れた目では、不自由はしないとは言え、正直あまり良い気はしない。

気分転換にと、下に降りたものの、未だに脈は早い。
心なしか、寒気もしているような……とにかく、今の俺のコンディションは最悪だ。


――……ぞわっ。


突然、背筋に冷たいものが流れた。

何か、とても嫌な感じがジワジワと広がり、ギュッと手を握った。
頭の中で警報がガンガンと鳴り響く中……俺は、後ろを振り返った……。


「……ッ!?」


リビングの隅に……何か、いる……!

今日――正確に言えば、昨日――見た、あの黒い靄みたいなものが、何故だか俺の家にいる……!!


思わず、ゴクリと唾を飲み込む。
さっき麦茶を飲んだばかりだっていうのに、喉はすでにカラカラだ。

ジリッと一歩後退る。
……気のせいか、黒い靄も一歩前に出たような……。

嫌な汗が背中を伝うのが分かった。

ゆっくり、ゆっくりと後ろに下がり……。


俺は――……。




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