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たんぺん集。
ゴミ箱。


挫折したもの置場です。

ほぼプロローグ的なのばっか。
もしかしたら完成させるのもあるかも。

いまの所、2つ。

(1)→ウエイターが転入生を教育する話し。…にしたい。

(2)理事長が転入生を使って面倒な金持ち達を掃除している→その裏での理事長×ゆる男


























(1)









山の上の上の上にある王道を詰め込んだ様な学園に、時期外れな転入生が来た。

王道を詰め込んだ様なその転入生はマニュアル通りに生徒会を落とし、風紀委員を落とし、各親衛隊持ちのイケメンを落とした。

そして王道通りに食堂イベントを各種繰り返す。


ある時は机をひっくり返し、

またある時は食事中の人を殴る。

落ち着いたクラシックがかかる食堂で大声を張り上げ、

シンプルながらも凝った調度品を贅沢だと壊しまくる。

嫌がらせに水を掛けられれば食事を皿ごと投げ返した。




その度に食事は無駄になり、優雅で落ち着いていた食堂は汚れ、騒音がし、生徒は怯えながら食事を取る。

料理なんてした事のない生徒たちは食堂に来ない訳にもいかず、味わう事もなく急いで掻き込んでいた。




その現状を初めて見たウエイター、小林イチは眉を潜める。

運が悪ければ転入生とその取りまきに絡まれるため、ウエイターが彼らに食事を運ぶ役は毎回ジャンケンで決められていたらしい。

何も問題が起こらない日でも、転入生のマナーの悪さと汚さは目を見張る物があり、運ぶのも食器を片付けるのも大不人気なのだ。

物を口に入れながら喋るため、口から飛んだであろう米粒が散らばっていたり。

溢したものを拾うという発想がないのかそこら中にそのままにしてあったり。

綺麗に食べる気はないらしく食べ残しは毎回ぐちゃぐちゃだったり。


金持ちのマナーの良さに慣れていたウエイター達には、当然受け入れられるものではなかった。





そんな時にフランス修行から帰ってきた、ベテランウエイター、小林イチ。

食堂で働く者たちは彼に希望を見い出した。



「イチさぁん〜…。」

「またそろそろ彼らが来る時間ですよぅ…。」

「あーもう嫌だ…。ジャンケン絶対負けられない…。」


午後7時前。

大体食堂が一番込む時間に、転入生とその取り巻きはやって来る。

「しょうがないですねえ…今日から俺が彼らを担当しますよ。」

仕事に復帰した2日目、学園の事情を知ったイチはそう言った。


「うぇえ?駄目っすよそんなの…。」

「そうですよ。毎回同じ人だったら、絶対絡まれますよぉ。」

「それじゃなくてもイチさん絡まれそうなのに。」

「イケメンですからねえ…。新しい取り巻きにしようと躍起になりますよあの転入生。」

ウエイター仲間だったりコック達だったりが、口々にイチを心配する。

「大丈夫ですよ。マナーが悪いガキのあしらい方は心得ています。」

「でも…あの転入生、規格外ですから。普通の迷惑なガキじゃないんですよぅ…。」

権力を持った大変面倒で大変迷惑なガキだ。

「ま、とりあえず今日は俺が給仕してみますよ。無理だったらジャンケンに入れて下さい。」

綺麗な顔で神々しくにっこりと笑ったイチに、反論できる者はいなかった。



*



「あー腹減ったー!!タカヤ何食べるんだ!?俺オムライス!お前もそれにしろよ!!」

「ぃゃ…、僕、卵アレルギーだから…。」

「何言ってんだよ!!好き嫌いはいけないんだぞ!オムレツも頼んでやるから食えよな!!」

「ぇと、…アレルギーなんだ。好き嫌いじゃなくて…、」

「我が儘言うなよ!俺が頼んでやるって言ってんだろ!!」

タカヤ…転入生の同室である平均的な顔立ちの生徒は、もう泣きそうだ。

周りのイケメン達から睨まれ、足を引っかけられ、踏まれ、小声で罵倒されている。


――転入生は…アレルギーという言葉が理解できないのでしょうか?


食堂にいる生徒も職人も眉を潜めて見守る中、中心のテーブルに着いた彼らはまだ騒ぎ続ける。

「あっ!!レイト!俺の分も注文しろよ!オムライスふたつな!タカヤがオムレツもって!!」

「オムライスですね。分かりました。時季が頼む物はいつも可愛いですね。」

「まぁな!!ほらタカヤ、レイトにお礼言えよ!そうゆうの自分から言わないから友達いないんだぞ!!」

「ぁ、りがとうございます…。」

「喋らないでいただけますか?時季に寄生するクズの声を聞くと、食欲がなくなってしまいます。」

レイト…副会長の言葉に、周りの取り巻きも笑う。

「そんな事言っちゃだめなんだぞ!タカヤは俺以外に友達がいないんだから仕方ないだろ!」

「時季…本当に優しいですね。だけど他に友人がいないのはこのクズが悪いのでしょう。時季が優しくする必要なんてありませんよ。」


タカヤは唇を噛み締める。
友達も親友もいるのに…!




「お待たせ致しました。」

そこにやって来たウエイター。初めてみる顔だ。

学園で一番人気の生徒会長よりも整った顔立ちをしている。

「オムライスにオムレツでございます。御前を失礼致します。」

「あっ…お前誰だよ!!かっこいいな!!」

「ご迷惑かとも思ったのですが、サンドイッチもご用意しました。卵は入っておりませんので、ご安心下さい。」

「おいっ!!俺を無視するな!!お前誰だよ!!」

「ああ、失礼致しました。私はこちらでウエイターをさせて頂いています。」

言外に見てわかんねえのかよ、と言っていた。
当然馬鹿には通じない。

「そうなのか!お前かっこいいな!!名前なんていうんだ!?」

「申し訳ございません。プライベートな事にはお答え出来ない規則になっております。」

「何だよ!!名前くらいいいだろ!俺は時季だ!俺たちもう友達だし、名前で呼んでいーぞ!!」

「申し訳ございません。プライベートな関わりを持つ事は規則により出来ません。」

「なんだよそれ!!そんなひどい規則があるのか!?大丈夫だ!叔父さんに言って何とかしてもらうから安心しろよ!」

「申し訳ございません。言語の意味が理解しかねます。」

「だからっ!俺の叔父さん理事長なんだよ!!だから名前教えろって!!」

「申し訳ございません。権力で脅されても屈する必要はないと規則定められておりますので。」

「なっなに言ってんだよ!俺は親衛隊みたいに権力使って脅したりなんかしてないだろ!!」

「それは失礼致しました。それから申し訳ございませんがお客様。食堂でのマナーをご存知でしょうか。」

「話しそらすなよ!!何だよマナーって!!」

「…まさか、本当ご存知ないのですか?失礼ながらお客様、5才児でも知っている事でございます。」

「ばっ馬鹿にするな!マナーくらい知ってる!!それがなんだよ!」

「ご存知でございましたか。では当然守って頂けますね。お客様は5才児ではないのですから。」

「あっあっ当たり前だろ!!」

「ありがとうございます。ではまず声の音量をお下げ頂けますか?」

「なんでだよ!!」

そこで初めてイチは表情を変えた。驚きの表情に、わざとらしく。

「お客様…食事中に大声を出さないのは最低限のマナーでございます。5才児でも守れる事でございますよ。」

「……!!!」

「それから埃を立てる様な行動も慎む……ああ、申し訳ありません。お客様ならば当然お分かりでしたね。」




続く(´・ω・`)

櫻井くんを見て書きたくなったんです…。敬語S…。





































(2)










馬鹿デカイ庭園ではなく小さめの裏庭のすみっこ、
陽当たりはいいけど校舎からは木の影になって見えない、そんな花壇。

そこが俺のテリトリー。






「………美味しそ〜。」


花壇の直ぐ隣にあるベンチで寝っ転がったら、雲がすっごいモコモコしてて美味しそうだった。


わたあめ食べたくなっちゃったぁ。
けどお祭り以外で売ってるのかなぁ。
お祭りっていえばリンゴ飴も食べたぁい。
でもさすがにリンゴ飴はスーパーに売ってないよなぁ。
やっぱり屋台でしかやってないのかなぁ。
アクション仮面の袋のわたあめ食べたいよぅ。



くっだらない事考えていたら、此方に歩いてくる気配。

チラッと見るといつも通り理事長だった。

いつも通り、…手に猫じゃらしを持って。


ひょこひょこひょこ。パシッ。

ぷらぷらぷら。パシッ。

ちょいちょいちょい。パシッ。

ぶんぶんぶん。


「…理事長うざぁーい。」

「酷いなレンくん。構ってあげてるだけだよ。」

「猫じゃらしで〜?」

「ああ。好きだろう?」

真剣に言ってるのがムカつく。

「馬鹿じゃないの〜。好きじゃないしぃ。」

「照れちゃって。別に恥ずかしい事ではないよ。にゃんこが猫じゃらしを好むのは実験で証明されているのだから。」

「だぁから〜!猫じゃないしぃ。いー歳した大人がにゃんことか言わないでくれる〜?」

ツンデレかい?とか微笑ましげに言ってくる、話しの噛み合わない大人を放ってお昼寝に戻る。



屋台の焼きそばが食べたいな〜。

ってゆうかお祭りいきたい。花火みたい。

この辺りでこの時期に何かあったっけ〜?


ひょこひょこひょこ。

ぷらぷらぷら。

ちょいちょいちょい。

ぶんぶんぶん。


「っもおー!なんなのぉ!?」

「最近忙しくてね。癒しが欲しいんだよ。」


あんたが構って欲しいのか!!

はああーー、とあからさまに溜め息を吐くが、理事長の表情は変わらない。


「……忙しいって、最近きた転入生でしょお。さっさと退学させちゃえばいーじゃん。」

呆れた顔をしながら構ってやる。

「そんな訳にもいかなくてね。」

「なんで〜?理事長でしょ〜?」

「色々あるんだよ。」

「生徒会たちがうるさいなら黙らせてあげてもいーけどお。」

だからさっさと癒し必要なくして、と思いながら言う。

実家の権力出してくるなら俺も出せばいいだけだしぃ。


あれ?じゃあ理事長が黙らせても同じじゃん〜。
生徒会よりデカイ俺の実家よりもデカイ家の当主なんだから。


「黙らせる必要はないんだよ。」

さっきまでの優しげな微笑みを消して、若干獰猛な笑みになる。

「………なんか企んでんのぉ?」

すぐにまた微笑みに戻った。

「そうだね。少しだけ。」

「…まあいーけどぉ。俺にメーワクかけないでほしいな〜。」

「レンくんにかける訳ないだろう。」

「理事長が言うことほとんど嘘だしぃ。」

「ひどいな。最近会いに来てなかったから、拗ねているのかい?」

「…………。」

ホント噛み合わなーい。

「レンくん?」

「…………。」

「拗ねてるの?」

「…………。」

「……図星か。」

「っはあ?何でそぉなるの〜?明らか今のシカトじゃん〜!」

「可愛いなあレンくんは。ごめんね構ってあげられなかったね。」

「いやいや分かってる!?俺が構って上げてたんだけどお!」

「そうだねえありがとうねえ。」

「っやめてー!なんか俺大人振りたい小学生みたいじゃあん!」

何も言わずに微笑むだけ。

しかも小学生通り越して幼稚園児見る眼で。

「〜〜〜もういいしぃ!忙しいんでしょぉ?もう行けば〜!」

「ああ、もうこんな時間か。」

腕時計をちらりと見て、少し驚いた顔をする。

「かなり癒されたよ。やっぱりにゃんこは癒しパワーがあるね。」

「だからにゃんこ、………もう話さないしー。構わないしー。」

「既にそれが話しているよ。」

「っ小学生みたいな突っ込みやめてくれるー!?」

「どっちがだろうねえ。」

「……………行かなくていーわけ?」

もうこの人の相手疲れたあー。

僕はもう昼寝がしたいよ、パトラッシュ……。

「ああ、行かなくては。じゃあレンくん、今まで通り転入生には近づかない様にね。」

「あんたが絡まれたら権力使って監禁するってゆうから〜視界にも入ってないよう!」




続く(´・ω・`)



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