[携帯モード] [URL送信]

俺の欲しいもの。




「落ち着け。久しぶりだな。あきらも元気だったか?」

高校入学してから会ってなかったもんね〜。

「元気だったよーう!あ、ユキさんこれお土産〜。」

「あ、我妻屋の大福!これ好きなんだ〜ありがとうあきくん。」

えへへ〜。

「本当あきらは変な所で礼儀正しいな。…それで?チャラ男にはなれたのか?」

「うん!これでアナタも遊び人っ☆〜チャラ男の心得〜のお陰でねえ」

「ぶはっ本気でそのタイトルにしたのか!?」

「ええ?なんか変?」

「いやいや変じゃねえよ。ただ、他の人にそれ言うなよ。」

…変ってことじゃん!

「いーもん大切なのは中身だから〜。ちゃんと上手くいったし!」


「はいはい二人共〜大福持ってきたよ。」

ユキさんが大福と緑茶を持ってきてくれた。

「ありがとうございます〜」

「いやあきくんが持って来てくれたやつだしね。それで?上手くいったんだ。」

「うん!昨日も〜あっつい夜を過ごさせて頂きました〜。」

「良かったな。で、そのいーんちょは上手いのか?セックス」

「咲人…なに聞いてるの。」
ユキさんは呆れてる。

「うーん…比べる人が居ないから分かんないけど〜めちゃくちゃ気持ちーよう。」

「へえ。やるないーんちょ。」


「てゆうか〜オニーチャン、急にどうしたの?」

ちょっと恥ずかしくなった。まあ今まで全然連絡もなかったのに、不思議だったんだよね〜。

聞いたら、オニーチャンはユキさんと顔を見合わせた。



「あきら。…あのな、門脇が死んだ。」

顔が強張るのが分かった。

「事故死だ。犯人も捕まってる。」

「…そっかあ。あのオッサン死んだんだあ。」
少し安心してる俺に嫌悪する。人が死んで安心なんて。


「…ああ。あきら、俺の知り合いに興信所に勤めている奴がいる。…頼むか?」



「…まだお金ないもん。」

「逃げんな。立て替えといてやる。出世したら返せ。」

「……。」

「ま、考えとけ。あとでそいつの名刺渡す。金はもう払ってるから、電話するだけでいい。」

「…ありがと。」



「その話しは終わり。今日呼んだのは、」

「えっ今の話のためじゃなかったの?」

「んなわけねーだろ馬鹿。今日呼んだのは俺の転職祝い。」

「ええ!?転職!?聞いてないっ」

「言ってねえからな。」

「咲人ってば、決まるまで僕にも話さなかったんだよ。」
ユキさんちょっと怒ってる。

「え〜ひどっ」

「決まってから言った方がいいと思ったんだよ。」

「そんな訳ないじゃんか。本当信じられない。」

「……悪かったよ。」

オニーチャンが謝った!

「それで〜?どこに転職?」

「ああ、××って会社。」
ニヤッて笑いながら言う。

「ええー!?××!?一部上場企業じゃん!」

「まあなー。すげえだろ。」


「すげえ!すげーよオニーチャン!かっくいーい!」

「あんまりおだてないで、あきくん。調子に乗るから。」

「……。」
憮然としてる。俺がこんなこと言ったら絶対ぶん殴られるのに、さすがユキさん。

「…ま、そういう訳だから。今日は豪華なメシ食いくぞ。」

「まじ!?やったあー!」






それから夕方までお互い今までの報告とかしてて、ご飯は高級フランス料理屋に行った。みんなフルコース頼んだけど、俺だけナイフフォークの使い方が分からなかった。恥ずッ。


帰りはオニーチャンが送ってくれた。車の中で、「城静学園に、山川あきら居るんだろ。…逃げんなよ。足立あきら。」って言われた。俺は何も返せなかった。




[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!