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俺の欲しいもの。

祖母譲りのちょっと自慢なプラチナブロンドの髪の毛を黒に染めて、

髪より少し薄い色の瞳には黒のカラーコンタクト。

野暮ったく見えるように髪をセットして、少し下を向く。

それに反するように最近開けたピアスを付ける。左耳に3つ、右耳に2つ。

仕上げに黒渕の眼鏡を掛けて部屋をでた。








「いーんちょ。こんな時間まで仕事〜?大変だねえ。」

深夜0時ちょっと前。場所は一般寮と特別寮の境んとこ。

「…あきら?な、訳ないか。誰だてめえ。」

「アキラでーっす。いや〜実はねえ俺の名前もあきらって言うんだよね。」

「…で?」

「別にーい?ただ、アキラクン好きになって2年半。いーんちょ様は大変溜まっておられるんじゃないかなーって。」

「何が言いたい。」

苛立った様に言われる。

「分かってるクセに〜。いーんちょはアキラクンの名前呼び放題で、しかも俺ら身長も体重も同じなの。薄暗い所で見ればアキラクンに見えなくもないデショ?――って事で、俺のこと抱いてみない?」

いーんちょが馬鹿にした様に息を吐く。

「はっあいつ以外抱く気になんねえよ。」

「分かってるよー。だから俺をアキラクンだと思えばいいじゃん?俺は有名人のいーんちょと、ヤッてみたいんだよね。ちょーどよくない?」


「…。」

いーんちょは無言。呆れてんのかな?迷ってるのかな?


「だいじょーぶ。誰にもバレたりしないよ。いーんちょはこっそり性欲発散して、俺は楽しむだけ。

   ……僕じゃだめ、ですか…?悠先輩…」


最後ちょこっとアキラクンの真似。声も似てるんだよ〜。そんで俯く。上目遣いなんて、アキラクンはしないんだよねえ。

「……っ」

知ってるよ、先輩。アキラクンを好きになってから2年半、誰ともヤッてないんだよね。

健全な高校生だもん。いくら右手があるからって、それまで遊び放題だった先輩が堪らない訳がないよね。

「ぼ、僕が今日ここに居ることを知ってる人も、居ないし、言うつもりもないですっ…あのっ、だから、ひ、一晩だけでも…!」

俯いたまま、目をぎゅっと瞑ってアキラクンっぽく一生懸命に。


「……5分後、部屋に来い。」

それだけ言って、俺の横を通り過ぎた。
そりゃそーか。いくら人が来ないところだからって、こんな時間に万が一、誰かと一緒に居るのを見られたら溜まったもんじゃないでしょー。

俺はきっちり10分待って、いーんちょの部屋に向かった。




*




俺が何故こんな事をしているのかと言うと、まずは俺の通っている学校の事から話さなければならない。

まあ王道に金持ち全寮制。
世界レベルの企業の御曹司・首相の息子なんかが通う所だ。

んで王道に生徒会と風紀委員会が権力を持っている。
さっき俺が話していた悠先輩は風紀委員長なのだ〜!ぱちぱち。


世界トップレベルの大企業の会長次男坊。

生まれからいいのに、能力もばっちしで容姿まで最高級ってゆうね。
どこまで神さまに愛されちゃってんの〜。

んで、そんな彼と張り合えるくらいの家柄、能力を持った生徒会長に、半年前恋人ができた。

黒髪黒目、黒渕眼鏡。大体下を向いてて、大体喋る時はどもる。
でも実は可愛い。笑うと滅茶苦茶可愛い。ついでに結構イイトコの坊っちゃん。
家族に溺愛されてる。でも謙虚。そんな感じの子。

何でも会長様は、彼が中2で転校してきた時から好きだったらしい。
その時会長、委員長は中3。
んで今は高2の秋。
アキラクンは高1。

つまり丸2年片想いして、やっと結ばれたと。
それまでにも色々あったけどね。

会長がアキラクンに振られたり、実は委員長も2年前から好きだったり、転校生がアキラクンに惚れたり。

けどまあ最終的に会長とゴールイン。
転校生が俺は諦めない発言したり、委員長が会長に宣戦布告したりはしたけどね。



そんで半年、委員長も転校生もまだ諦めてない。

未だにアキラクンにアタックしてる。
まーたこれが、アキラクンが困った顔はするけどキッパリ断れないもんだから、諦めつかないんだろーねえ。


そんなこんなで、わたくし足立あきら、小5の時から好きだったいーんちょ様に、アキラクンの真似してお誘いに行ったのです。

アキラクンにはバレませんよー、アキラクンと同じ体格、声、名前ですよーってね。




*




「…失礼します、」

あれから10分後。いーんちょの部屋の中。
ばっちしアキラクン仕様ですよ〜う。

「あ、あの、悠先輩、無理言っちゃってすみませ…っ」

噛みつかれた。口に。
いや本当に、これはキスじゃないでしょ。
…あー、喋んなってこと?声似てるのになあ勿体ない。いいのかなあ?

とか考えている内にベットに連れ込まれる。
そのままキスと言うには荒々しく口は繋がったまま、いきなりズボンを脱がされた。パンツごとね。

「…っ、っ…!」

いやいや性急すぎるでしょ!落ち着いてー!

「…暴れんな。悠先輩って、呼んでろ。」

唇を離されて、ひっくい声で言われた。
手は、ローション握って俺の下半身を触っている。―と、思ったら、いきなり指を突っ込まれた。

「痛っ…」

もち俺の言葉はムシ。いいけどね〜べつに。
いーんちょの言う通り、名前を呼ぶ。

「…ぃ、あ、悠…先輩。」

いーんちょは無表情で無言。だけど頭を撫でてくれた。それが嬉しくて、夢中で呼ぶ。悠先輩、って。


ある程度解された後ソッコーで突っ込まれた。

さすがに叫び掛けたけど、我慢しました!俺強い子!

で、俺が悠先輩、って呼び続けて、いーんちょがイク時。あきら、って熱く囁いた声に俺もイっちゃった。痛かったのにねえ。


…え、俺ってM?


それから5回くらい抱かれた。溜まってたんだねえ。若いのに。


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あきゅろす。
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