狼注意報!!!
3
俺がぼーっとある人物のことを考えていると、いつの間にか目的の洗面所に到着。
目の前の大きめの鏡に映る自分の姿を見るべく、ゆっくりと顔を上げた。
「……………。」
流れる沈黙。
…いやいや、ナイ。これはナイ。ありえナイ。
ああそうだ、多分俺はまだ寝ているんだ。
そしてこれは…きっと何か悪い夢だ。
はい!もう一度目を瞑ってー!開けた時には布団の中ー!!
…あまりの出来事に現実逃避。
もちろん再び目を開けた時…状況はなにも変わっていなかった。
「………ッ!?」
息を飲んで恐る恐る俺の頭にある【ソレ】に触れる。
先ほどのように声が漏れるなどということはなかったが、一瞬体が跳ねてしまった。…不覚だ。
いやいやいやいや、なんか冷静に状況報告しちゃってるけど現実はやばい、ありえないことが起こっている。
「…み、耳?」
そう、耳。
…無意識に俺は呟いていた。もちろん俺の奇怪な行動でお分かりだとは思うが、それはただの耳ではない。
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