BL短編小説 エゴイスト02 「どう考えたって、おかしいだろ?」 「性別なんて、大したことじゃないですよ」 「こっちは大アリなんだよ、こいつにそーいうシュミはねぇ!惇、行くぞ」 早川は、俺の手を引っ張ると、少年を無視して校内に入っていく。 「あ、あの…ごめんね、俺、君のこと、良く知らないからさ」 俺は、早川に体を引き摺られながら、少年に向かって声をかける。 少年は、俺が校舎に入るまで、俺の方をずっと見つめていた。 「…ったく、何なんだよ、あいつは…」 早川は、教室の窓から外を見た。 校門には、あの少年がまだこちらを見ている。 「もう1週間だよ。良く続くよね」 俺の暢気な発言が気に障ったらしく、早川は凄い形相で俺を睨みつけてきた。 [前へ][次へ] [戻る] |