続き物
大犯罪者達の子育て日記4※長文注意
※前回の続き








マーリンから渡された謎のジュースもとい薬により、体が約4歳から16歳程になってしまったユウキ。
ゴウセルはその大きくも柔らかい体を抱いて城にある自分の部屋へ向かった。
ユウキは靴を履いていないので裸足だ。
さすがに歩かせる事は出来ないし、まだ薬の副作用が残っているのだろう。泣き止んでいない。
城への道中、ゴウセルはユウキを慰めることにした。


「う、う、ごーせるぅ…」

[どうしたユウキ、まだ痛むのか?]

「ちがうの…からだきもちわるい」

[ユウキが飲んだのは人体を急激に成長させる薬だ。何日かすれば元に戻る]

「ほんと?ユウキもとにもどれるの?」

[あぁ]


どうやら泣いていた原因は薬の副作用ではなく、変わってしまった体のことらしい。
鏡もまだ見ていないし、何より尺が変わってしまったことで感覚がおかしくなっているようだ。
本人たちは気にしていないが、端から見れば白髪美少女を鎧巨人が誘拐している図にしか見えない。
泣いている原因が判明したので理由を教えれば、中身は約4歳のままなユウキはすぐに泣き止んだ。


「ごーせる!どこいくの?」

[お前の靴も替えの服もない。それを用意するように言って俺の部屋に行く]

「ユウキくつなくてもへいきだよ!」

[駄目だ。どちらにしろ今日は部屋に戻る]


部屋に戻ると言い張るゴウセルにやや抵抗を見せたユウキだが、抱えられている今の状態ではどちらにしろゴウセルに従う他なかった。
ユウキを抱えて歩いていると、前方からメリオダスの魔力が近付いてくるのをゴウセルは感じた。
メリオダスが視界に入る頃には彼もこちらを見付けた様で、話しかけてきた。


「よおゴウセル!…とユウキ、か?」

「だんちょぉ、こんにちは!」

[団長、これはユウキだ]

「そーみたいだな!一体何があったんだ?」

「あのね、ユウキおきたらまーりんのおへやにいたの!それで、まーりんからジュースもらって、のんだらからだへんなって、そしたらおおきくなった!」

[…そういうことだ]

「ふーん、つまり原因はマーリンて事だな!」


ユウキの支離滅裂な説明を一言でまとめたメリオダス。
それから改めて成長したユウキの体を上から下まで見てニヤリと笑う。
もちろんゴウセルに抱きかかえられていて全身くまなくとはいかないが、大まかなラインは見ることが出来た。


「大体16位か?良い体になったじゃねぇか」

[団長、それはセクハラだ]

「せくはら?だんちょせくはら!」


メリオダスの如何わしい発言に即座に反応したゴウセルは冷静なツッコミをした。
セクハラという単語が聞き慣れないためかそれとも面白かったのか、意味も分からず連発するユウキ。
メリオダスはそれを聞いてハハハと笑いながらふと湧いた疑問をゴウセルにぶつけた。


「それって今日のことだよな?部屋とか着替えとかは大丈夫か?」

[服はまだだ。部屋はいつも通りだが問題があるのか?]

「じゃあ服は俺が頼んどいてやるよ。問題ってか…まぁいっか、ゴウセルだし」

[それは助かる。ありがとう。何の事かは分からないがユウキのことは心配無用だ]


まずメリオダスが服を調達することがどういうことかゴウセルは気付くべきだった。
そして体が成長しているからとメリオダスから別々の部屋を提案されたが意味を理解出来なかったゴウセルはそれを断った。
ゴウセルの返答にやや虚を突かれたような顔をしたメリオダスだが、ゴウセルなら大きくなったユウキに手を出しはしないだろうと思い、何も言わずに見送った。

服の事はメリオダスに任せたゴウセルはユウキを抱き直して再び部屋を目指した。
今度は誰にも呼び止められることなく到着することが出来た。
部屋の中はゴウセルが飛び出した時のままだ。
床に降ろされたユウキは早速いつも届かない棚や壁に手を伸ばして喜んでいる。
最初こそ戸惑って泣いていたが、今はもう尺に慣れた様で楽しんでいた。


[ユウキ、夕食にするぞ]

「はぁい!」

食べるときは時折やりかたがぎこちないのでたまにゴウセルが食べさせる。
食器を片付けるとドアをノックする音がした。
ユウキが真っ先に向かい、内開きのドアを開けると服を抱えたメリオダスがいた。


「だんちょーだ!!どうしたの?」

「ユウキの服だ。沢山あるから好きなのを着ろよ!」


それじゃあ俺はこれで!!とメリオダスはゴウセルが服を確認する前に来る前に扉を閉めた。

[団長か?]

「うん!これユウキのおようふくだって!」

とユウキが差し出したのは、まるで娼婦の様な透け透けのネグリジェや際どいワンピースなど、とてもユウキには着せられないものばかりだった。
ゴウセルはこれを見てメリオダスが足早に去って行った理由を知った。
もう時間的にユウキを寝かせなければならないが、服はここにあるものしかない。

ゴウセルは諦めてシャワールームで服を脱いだユウキに自分で体を拭くように言ってタオルを渡し、1日纏っていた鎧を脱いだ。
そしていつものようにゴウセルも体を拭くべく腰にタオルを巻いてシャワールームへ向かうと、先にいたユウキと鉢合わせた。
先に行くように言ったので当たり前であるが、問題はその格好だ。
いつも一緒に入っていたので気にせず入ってしまったが、今は16歳だ。
白く長い髪の合間から見えるボディラインはいつもと同じでは無かった。
ここに来てゴウセルはやっとメリオダスの不可解な発言と行動の意味を理解したのだった。

だが時すでに遅かった。
シャワールームに先にいたユウキはゴウセルに髪を洗ってもらおうと飛び付いた。
もちろん背も成長しているので、いつもゴウセルのヘソ辺りにあった頭は今は鎖骨下まである。
しかも決してわざとではないがユウキの16歳にしては他に比べ成長している豊満な胸がゴウセルの上腹部に押し付けられている。

ここで一つ、付け加えておく。
ゴウセルは中性的な容姿で己の感情に疎く空気が読めないが、男である。
更に今、普段手塩に掛けて可愛がっている幼女が美少女になっている(しかも全裸だ)
よっていつゴウセルが狼になってもおかしくはない。


「ごーせる!かみあらって!」

[……あぁ]

「…?ごーせるどうしたの?」

がたんっ ドサッ


予想はつくだろうが、ゴウセルのネジ(理性)が一時的に飛んだのだ。
温水の出ているノズルを壁に掛けたままユウキの両腕を浴室の壁に押さえ付けた。

「っ!?ごぉ、せる?」

[…………]


戸惑うユウキを黙殺し白い首筋、そして胸元に唇を寄せ吸い付いた。
髪同様白い肌に数ヶ所に渡り赤い鬱血痕を残すゴウセル。
気が付けば怖かったのかユウキは啜り泣いていた。


「ひっく、ごー、せる、おこってるの?ひっく、ユウキが、おおきく、なったから…ひっく」

[っ、すまない。怖かったか?]

「ひく、うん、もうおこって、ない?」

[あぁ。悪かった。髪を洗おう]


何とか理性を取り戻し入浴を終えた。
しかしまだ関門はあった。あの服達である。
メリオダスが持ってきた中で一番露出度の低い物を選んだ。
キャミワンピの様なネグリジェに自分のシャツを着せた。


「ぶかぶかするー…」

[…もう寝るぞ]

シャツを着せてからこれはこれでマズかったなと思ったが、もうユウキが眠そうなので諦めて寝ることにした。
いつもは抱き締めて眠るが、今日はそれをしなかった。
ゴウセルは自分では自覚していないがその態度は一目瞭然だ。
それは成長したユウキを女として意識したからに他ならない。


次の日ユウキの首にある鬱血痕を見てメリオダスはニヤニヤしながら見ていたが、ハーリットを構えたゴウセルを見て逃げ出した。
数日後もとに戻ったユウキを見て残念がる者が数人。
安堵した者が一人いた。誰かは言わずとも知れよう。


この数日間ゴウセルはいつもするはずの読書はしなかった。








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あきゅろす。
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