続き物
大犯罪者達の子育て日記2
※ゴウセルがロリコン、幼女の1日








ユウキの一日はゴウセルのベッドで始まる。
外では四六時中鎧を纏っている彼は寝るときのみそれを外した。
鎧をベッド脇に置き、生身でユウキを抱き締めながら眠ると彼女が安心するからだ。


[ユウキ、起きろ。朝だ]

「すぴー…、んみゅぅ」

[今日はディアンヌと遊ぶのだろう]

「ん〜でぁんぬ、あそぶ…」

[早く起きないと団長を追い掛けて行ってしまうぞ]

「いやぁ、あそぶの…おきるぅ」


起きる気配を察したゴウセルは早々に身なりを整えて靴を履いた。
一方ユウキは寝惚け眼でのろのろと起き上がると、ゴウセルがテーブルに用意した服に着替えようと奮闘する。
今日はロングブラウスに七分丈のスパッツのようなもので、動き易さ重視の様だ。
しかしブラウスのボタンがなかなか留まらず、苦戦しているうちに愚図りだしてしまった。
ゴウセルはユウキのボタンを留めてやり、着替え終わったのを見ると自身は鎧を装備した。

少しすると、台車のガラガラとした音と共にドアがノックされた。
着替え終わったユウキはドアを開けて使用人を迎えた。
運ばれてきた朝食はゴウセルがテーブルに並べ、二人は一緒に食べた。


「ごーせぅ、ユウキこれきらい…」

[好き嫌いは駄目だ。ちゃんと食べないと体に良くない]

「よくない?…でもたべたくないよぉ」

[食べ終わらないと遊べないぞ?]

「う、うぅ〜」

好き嫌いをするユウキをゴウセルは説得して最終的には食べさせることが出来た。
食べ終わったユウキはディアンヌと遊ぶべく、食器を片付けるゴウセルを急かして部屋を出た。


「ごーせぅ、はやくぅ!でぁんぬとこいく!」

[今向かっているだろう。あまり走ると転ぶぞ]

「はぁい」


城下町で見掛ける同年代の子供よりもユウキは聞き分けが良い。
ゴウセルの難しい言葉や言い回しも必死に理解しようとしている。
それは親代わりの七つの大罪の中でも一番世話を焼いているのがゴウセルだからだ。
最初に彼女を見付け、その過去を探索の光(サーチライト)で知っていたがその内容を他のメンバーには話していない。
つまりゴウセルは彼女の過去を知る唯一の存在だった。


待ち合わせの中庭に到着すると、ユウキはディアンヌを探した。
巨人族の大きな身体を持つディアンヌが木や茂みの後ろに居るわけがないが、ゴウセルは何も言わずにそれを見ていた。

到着してから数分すると、渡り廊下からディアンヌの足音が聞こえてきた。
ユウキは音の主が分かったようで、嬉しそうに廊下へ駆け出した。

「ユウキおはよう〜!あ、ゴウセルもね」

「おはようでぁんぬ!」

[おはよう]

「じゃあ行こっか!今日はお城の外にある森に行くよ!」

「もり?いくー!」

「……って、なんでゴウセルまで着いてくるのさ!ユウキは今日ボクと遊ぶんだからね!」

[着いて行くだけだ。邪魔はしない]

「ごーせぅもいくー!」

「はぁ、しょうがないなぁ。絶対邪魔しないでよ!?」

[承知した]


ディアンヌはユウキを掌に乗せて遊び場に指定した森に向かった。
森にある果物や植物を食べてみたり、動物やディアンヌにじゃれたりと遊んでいるうちに日はすっかり暮れていた。
ゴウセルは本当に見ているだけだったようで、ずっと二人の遊んでいる場所から離れた所にいた。
ゴウセルが頃合いを見て迎えに行くと、遊び疲れてしまったようでユウキはディアンヌの掌の中で眠ってしまっていた。


「ゴウセル、ユウキってば遊び疲れちゃったみたい…日も暮れてきたし、もう帰ろうか」

「すぴー…むにゃむにゃ…すぴー」

[…そうだな]


眠るユウキを抱いて城へ歩き出すディアンヌをゴウセルは後ろからじっと見ていた。

城に着くとディアンヌからユウキを受け取り、部屋の前に置いてある夕食をテーブルに乗せた。
夕食を食べるために寝ている彼女を起こす。

[ユウキ、夕食を食べるぞ]

「ん…ごはん…」

朝と同様、二人で食事をする。
鎧を脱いだゴウセルは備え付けの洗面所で洗ったタオルを持ち、食後でうとうとしているユウキの体を拭いて、自分の体も拭いた。
着替えさせている間に寝てしまった彼女をベッドに寝かせ、窓際のイスに腰掛けいつものように本を開いた。

いつからか、近くでユウキが寝ている時は声を出さずに本を読んでいる事に、ゴウセルは気付かない。

数時間して本を読み終わると、ベッドで眠るユウキを抱くようにして自分も寝転がった。
抱いている彼女が服の胸元を握っているのをそのままに、ゴウセルも眠りについた。






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