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Dream
殺人考察(前)T





あたたかな風の中で
誰かが呼んでる
暗闇を惜しむように
夜明けが始まる










もう3月だというのに窓の外は一面雪景色。真冬の様な景色に,暖かいはずの部屋にいるのに少し身震いした。
今もなお雪は降り続いている。

「雪,やまないね」

式の部屋のベッドにゴロりと寝っころがりながら窓の外を憂鬱そうに眺めた。

「そうね…。和は外で遊んでこないの?」


「それ…,本気で言ってる?」

「あら,子供は風の子ってよく言わなかったかしら?」

式はクスクスと笑い,今さっき秋隆さんが持ってきてくれたお茶に口をつけた。



「子供って…!あたしと式,一つ違いじゃん」


不服そうに少し唇を尖らせて式に反抗した。
そりゃあ,式の方が綺麗で頭だっていい,小さい頃からやっているだけあって剣術や体術にも長けている。
まさに彼女は才色兼備と言う言葉がぴったりな人間だ。

「何一人で拗ねてるの?」

「別に。拗ねてない」


何か自分で言ってて悲しくなってきた。私は自分の顔が見えないように式に背中を向ける。


「なんで…こんなに違うのかな」

ぼそりと聞こえないくらいの小さな声で呟いた,つもりだった。その瞬間式がベッドに座り,そっと私の頭を撫でてきた。

「私は好きよ。和のこと。それに―――私は貴方が思っているほど完璧じゃない。欠陥だらけ…。私は反対に貴方みたいな人間がとても羨ましい」
そう式はどこか悲しそうに言った。
私は自然に式の方へ身体を向けていた。

「式は自分の魅力に気付いてないんだよ」


「その言葉,そっくりそのまま和に返すわ」


どういうことだ?私が頭にハテナを浮かべていると,式はクスリと笑い,突如座っていた椅子から立ち上がって襖に手をかけた。その動作で私はすぐに分かった。
もうそんな時間,か。

「今日も行くんだ」

「えぇ」

短く返された。
最近式はよく夜散歩に出掛ける。何故か,なんてそんなことは聞かない,否聞けないのだ。いつだったか,私も一緒に行っても良いかと申し出ようとした時もあった。
だがそれも未だに言えずじまい,何故かコトバにする寸前でいつも口籠もってしまう。
私は無意識に何かを恐れていた。


「いってらっしゃい」




背を向けて自分の部屋から出て行く式をただ見つめながら,私はいつもそれしか言えなかった。







この日
初めて式は幹也と出会う



物語はついに―――動き出す













あとがき
殺人考察始まりました!
俯瞰風景といい最初はかならずベッドから始まる主人公(笑"そして相変わらず駄文ort
早く主人公の過去書きたいな

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あきゅろす。
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